今日のポイント
" 尊敬 " とは
個性を大切にすること
今回は、他人を信頼する話の第二回です。
第一回はこちら
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アドラー心理学⑰他人を信頼するってどういうこと?
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他人を無条件に信じるには、全ての人を尊敬する
必要があります。
無条件 信じる 尊敬
この3つのキーワードを理解して「他者信頼」を
する為の準備を整えましょう。
YOUTUBE【ゆっくり解説】
尊敬できる相手・できない相手

無条件 信じる 尊敬
この3つについて話し合おう。
前回はここで終わってるから、その続きね。


前回の最後に、きみが言った言葉から話を始めるのがいいだろうね。


無条件に誰でも尊敬できるのか?
きみの疑問はそんな感じだよね?


世の中には色んな人がいるからね。


なぜすべての人を尊敬できないのか
まずはこれを説明していくよ。

横の関係なら尊敬できる

自分より上の人は尊敬する。
自分より下の人は尊敬できない、みたいな感じでね。


相手が自分より、上なのか下なのかを判断して、その評価によって態度を変える。
それが縦の関係での生き方だ。
この生き方では自分より上だと思う人しか尊敬できないから、すべての人を尊敬するなんて出来ないんだ。
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アドラー心理学⑩「縦の関係」で生きるひとは他人を差別する
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自己受容・他者信頼・他者貢献の3つで構成されるのが共同体感覚だ。
この3つは、他人と対等に付き合う横の関係を土台として成り立つ。
他人を差別する縦の関係では、共同体感覚を身に付けることはできないってことだね。

YOUTUBE【ゆっくり解説】
共感は無条件の尊敬につながる
横の関係を築くには、相手の立場で考えないといけないのよね。
相手の主張がどんなものでも、自分が正しいと思った瞬間に、相手を見下してしまう。
そして、自分の『正しさ』を押し付けたくなってしまう。

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ぼくはその時、相手に共感するというのは、相手を敬う行為だと言ったね。
つまり『相手に共感する』というのは尊敬につながるんだよ。


尊敬と横の関係の、両方につながる大事な行動が共感なんだ。
この図を見ると「横の関係」は「すべてのひとを」ってところにつながってるわね。
これが今日のキーワードの無条件ってことなのかな?


わたしが出来ないって言ってた、「すべての人を尊敬する」っていうのは、他人に共感することが出発点になってるのね。




だからぼくは課題の分離の次は共感に進むように勧めたんだ。
ぼくもその順番で行動したからね。
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じゃあ「相手を尊敬する」というのは具体的にどういう行動なの?


これが「相手を尊敬する」という行動だよ。


相手が「こうなりたい」と思う人間になれるように、協力や援助をしていくことだよ。
相手が、そのひとらしく生きていくために、力を貸したり、援助したりしていく‥‥
たしかにこれをやろうと思ったら、相手に共感する必要があるわね。


相手が望む生き方ができるように協力していくんだから、
そもそも、相手がどんなことを望んでいるのかを知らなかったら出来るはずがない。
共感の話の時にも言ったけど、相手を知らないと、共感できない。
相手がわたしの意見を無視してあれしろ、これしろ言ってきたらやる気もでないわ。
わたしがどうしたいのかを理解してくれて、それを踏まえたうえで、
どうしたらいいのかを提案されたら前向きに受け入れられそうだわ。


「わたし」を尊敬してくれる人の言うことは聞く価値があると感じる。
なぜなら、それは相手の意見の押し付けじゃなくて、
「わたし」が「わたしらしく」成長するためのアドバイスだからだ。
相手の課題に踏み込まずに、協力や援助をしていく‥‥

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勉強しないことによって訪れる結末を、最終的に引き受けるのは子ども自身なんだ。
だから勉強は子どもの課題だ。
子どもが反発するのも当然ね。
だって子どもの意見が尊重されていないんだから。
尊敬のかけらも無い命令なんて、子供も聞きたくないわよ。


でも、もし子どもがパイロットになりたいという夢を持っていたとしたら、親の出番だ。
パイロットになるために必要な、子どもが知っておくべきことを教えてあげないとね。


倍率も高いから、勉強するのは当然として、それ以外にもたくさんの努力や犠牲が必要になること。
どんな学校に入って、どんな勉強をして、どんな企業に就職する必要があるのか‥‥
そんな知識を与えて、夢を追いかける援助や協力をするべきだね。
知識を与えた後、どうするのかは子どもが決めるのよね。


知識を得た結果、パイロットになるのをあきらめるのも、勉強するのも子どもの自由だ。
パイロットになりたいなら勉強しなさい!なんて叱るのは問題外だね。
でも、子どもが勉強しなかったら、親としての責任を放棄してることにならない?


でもそれでは、子どもの自立を邪魔することになってしまう。
「介入」は相手の課題を奪って、自立を邪魔する行為だからね。
親の責任は、子どもが子どもらしく生きていくために協力して、自立してもらうことなんだ。
極端な話、子どもがなりたいと思うものになるために、勉強が必要ないなら勉強なんてしなくていいんだ。
仕事に対してどのように向き合うかはその人の課題なんだから、頑張るのも怠けるのも、その人の自由ね。


会社が決めたルールを守るレベルで怠けてるなら、それをどうこう言うのは介入になる。
「そのひとらしさ」を無視することになる。
そういう人も尊敬できないとね‥‥
なぜ怠けるのかを、知ることから始めないといけないわね‥‥


相手はきみが頑張りすぎだと思う。
どちらが正しいかは、きみが決めることじゃないんだ。
どんなに相手がまちがっていると感じても、自分が正しいと思った瞬間に相手の課題への介入がはじまる。
絶対的な正しさなんて無い


勉強しないのも、仕事を怠けるのも、本人にとっては、それが正しいことだからだね。
『本当の正しさ』なんて、この世のどこにも無いのね‥‥
神様みたいなものなのね。


たしかに『正しさ』は神様みたいなものだ。
自分の正義に酔いしれて他人を非難する人は『正しさ教』の信者だね。


これはすごく大事な感覚だよ。
『正しさ』なんて自分勝手な思い込みだと知っていないと、そういう感覚は得られない。
でもどうしたらいいのかわからない状況では困るだろうから、次回の話にもつながる結論を言うよ。
アドラー流の「本当の正しさ」というのは存在するんだ。
わかりやすくどうぞ。


相手が決めることでもない。
お互いの正しさを認め合い、お互いが幸せになれる道を探す態度。
これこそが『本当の正しさ』だ。
どっちが正しいかなんて関係ない。
お互いが相手の『正しさ』を尊重して、お互いが幸せになる道を探っていくのね‥‥


だから、相手の正しさを聞き、自分の正しさを主張して、
お互いの正しさの融合を目指す態度が必要になるんだよ。
自分でも、相手でもなくて、
二人で決めることなのね。


『自分だけの正しさ』を捨てれば相手に『共感』することができる。
相手の立場で考える共感ができれば、相手のそのひとらしさを気づかう尊敬に進むことができる。
『すべての人を尊敬する』って難しいことだけど、他人と仲間になる為には必要な気がしてきたわ。


共感は『尊敬』と『横の関係』につながる大事な行動だからね。
尊敬の話が長くなってるけど、他人を信じる話に戻さなくていいの?


今日の残りのキーワード「信じる」の話をしないとね。


最終的な『他者信頼』のまとめが残ってるから、今日はこれくらいにしておこうか。


今日のまとめ

相手が自分より上とか下とか差別するから、尊敬できる人とできない人が出てくる。
自分より上だと思ったら尊敬するし、下だと思ったら尊敬できない。
『横の関係』という、他人と対等な関係なら、すべてのひとが尊敬の対象になるわ。


尊敬の意味はわかったかい?


つまり、ひとそれぞれ『正しい』と思うことは違っている。
そのひとが持っている、
そのひとだけの『正しさ』
それがそのひとらしさだと思うわ。


まずは相手の持っている『正しさ』を知ることが必要になるわね。


それが、他人を尊敬するためには必要だということだね。
そうしないと『相手の正しさ』になんて目が向かないはずよ。




相手の人生は相手の課題なんだから、相手が正しいと思っていることは『自分の正しさ』とは切り離して考えるべきだ。
まずは課題の分離をして、自分の正しさと相手の正しさを切り離す。
切り離したままでは孤立してしまうから、相手の正しさを邪魔しないように距離を縮めないといけない。
その時に使うのが共感ね。
相手の立場で考えて、相手の正しさを理解しようと努力する。


それと同時に、自分の正しさを押し付けずに、他人と対等に接する横の関係を築ける。
共感は誰に対してでもできるから、他人に共感する態度さえ身につければ、みんなと横の関係を築けて、尊敬することができる。
つまり、すべてのひとを尊敬できる


ぼくより上手じゃないかな。
相手のことばっかり考えてる‥‥


自分と相手の正しさをミックスする『本当の正しさ』の話は次回だね。
なかなか終わりが見えてこないわ。


だから、もう少し頑張ろう。
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次回に進みます
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