今日のポイント
人間関係をリセットする
他人との間にできた、こんがらがったしがらみを
解きほぐしてリセットする方法。
それが『課題の分離』です。
他人とうまく付き合えない時は、いったん関係を
リセットして再構築する必要があります。
今回は、そんな対人関係の入り口をわかりやすく
解説します。
YOUTUBE【ゆっくり解説】
課題の分離とは
また新しい言葉が出てきたわね。


その入り口となる『課題の分離』はしっかり押さえとかないとね。


みんな悩んでるからね。
ここでは、わかりやすいように例え話から入ろうと思うよ。
君が働いている部署に新入社員が入ってきたとしよう。
教育担当は君だ。
そして、君が教えても、なかなか新入社員は仕事を覚えようとしない。
そんな時、君はどうする?


教育担当なんだから。


給料もらってるんだから、その分、働いてもらわないとね。


でもアドラー心理学での考え方は違うんだ。


これは誰の課題なのか?
ということを常に考えるんだ。
自分の課題と他人の課題をハッキリ区別して、切り離して考えるんだ。
この場合はどんな考え方になるの?


やらなかったり出来なかったりして
最終的に困るのは誰なのか?
この場合、仕事を覚えなくて困るのは新入社員だ。君じゃないね。
教育係としてのプライドは傷つくけどね。


『仕事を覚えるかどうか』は新入社員の課題。
『覚えられるように仕事を教える』のは、教育担当である君の課題。
このように誰の課題なのかをハッキリ区別するんだよ。
そして切り離して考えるんだ。


自分の課題に他人は介入させない
他人の課題に介入しない


君は教育担当なんだからね。
でも最終的に仕事を覚えるかどうかは新入社員の課題なんだ。
君に出来るのは、教えるところまでなんだ。
わたしは教育係なのよね?


でも新人が仕事を覚えないことをどう思うかは君の課題なんだ。
この場合は「教え方が悪い」とか
「コミュニケーションが足りない」とか思うべきだろうね。
仕事を覚えるかどうかは新人の課題で、仕事を教えることや、新人の行動をどう思うかは君の課題なんだ。
自分は自分、他人は他人って感じ。


でも、他人の課題に介入すること。
これこそが自分勝手な発想なんだ。
だってこの場合、君は自分のプライドを満たすために新人に仕事を覚えさせようとしてるんだよね?
どうして仕事を覚えようとしないのかを、考えようともせずに‥‥
確かに相手の気持ちなんて考えずに、教育係である自分の立場でしか考えてないかも。


そんなふうに、相手の立場を無視して強制的に仕事をやらせたって仕事が嫌いになるだけだよ。
「言われたから仕方なしやるか‥」っていう考え方が育ってしまって、
「自分の行動への責任感」なんて育つわけがないんだ。


「介入」は、相手が自分の課題を自覚するチャンスを奪ってしまう。
つまり自立を邪魔してしまう。


やるか、やらないかは相手の課題だからね。
でも、やれるように援助すること。
例えば知らないことや分からないことを教えていくのは君の課題だよ。
『課題の分離』は相手をほったらかす行動ではないんだ。
自分の立場で出来ることに集中するっていう行動なんだよ。


でもすごくシンプルな考え方だよ。
君は新人がどうなるかなんて思い悩まなくてもいいんだ。
それは新人が、自分のために、自分の責任で考えることなんだよ。
どうやって教えれば、新人の為になるのか?
君はこれだけを考えればいいんだ。
相手の課題に踏み込まなければ自分の役割に集中できるし、
他人に振り回されない生き方が出来るんだ。
どうしたら覚えられるかを考えるだけの方がストレスも少ないし、最終的にわたしの為にもなりそうよね。


でも『課題の分離』という考え方の大事なところは、分離した後どうするか、なんだ。
YOUTUBE【ゆっくり解説】
自分の課題に介入させない
これってどんな行動になるの?


だって君が、新人の成長を心から願っていて、どうやって教えたら成長できるのかを真剣に考えていたら、
「そんな教え方ではダメだ」とか上司に言われたら腹が立つよね?
教育係は私なんだから口出ししないでよ、ってな感じでね。
まあ、そんなストレートには言い返せないかもしれないけど、
気持ち的に、その上司に振り回されることは無くなるはずだよ。
自分の課題に真剣に取り組んでたら、その課題に他人が介入してきたらムカつくわね。
自分がされてイヤなことを他人にしてはいけないのね。
新人は外からはそう見えないだけで、一生懸命やろうとしてるのかもしれない。


もしかすると、自分に合わない仕事だと思って、退職を考えているから仕事を覚えないのかもしれない。
でも、そんなことは君には関係ないんだよ。
相手がどう思っていようと、君は自分の立場で出来ることを、真剣にやるだけなんだ。
たしかに対人関係をリセットして組み立て直すテクニックね。
でも大変そう‥‥


『分離』するだけなら、他人を自分から切り離して楽になるだけだ。
でもアドラーは、それだけじゃあ許してくれない。
分離した後、自分の課題に精一杯向き合うことを要求してくる。
アドラー心理学は楽をさせてくれる心理学ではないんだよ。
前向きに充実した人生を送るために努力を要求する心理学だ。
っていうのは実感としてあるわ。


今日のまとめ

まずは、目の前の課題が誰の課題なのかを考えて、自分と他人の課題をハッキリ分ける。
他人の課題に自分は介入しない
自分の課題に他人は介入させない
こんな感じだね。
これを考えれば、その課題が誰の課題なのかがわかるのよね?


「課題の分離」が出来れば、こんがらがった人間関係が整理されて、自分のやるべきことがハッキリする。
他人に振り回されずに自分の課題に集中できるようになる。
結婚して良い思いをするのも悪い思いをするのもわたしなんだから、わたしの課題よね。


「あなたの為を思って言っているのよ」なんて言われても、流されたら振り回されてしまうよ。
おばちゃんは結局は自分の思い込みを君に押し付けているだけなんだ。
参考意見として聞くだけにしよう。
アドバイス通りに結婚して、その後の結婚生活がうまくいかなくても、そのおばちゃんは責任なんか取ってくれないからね。

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