劣等感と生きる

ニーチェとアドラー①価値観とは何か?失ったらどうなるのか?

価値観のイメージ

 

今日のポイント

価値観とは何か?

 

 
ニーチェの哲学 アドラー心理学

今日から3回に分けて、このテーマを追います。
 

第1回 価値観
第2回 ニヒリズム
第3回 ルサンチマンと劣等感

ニーチェの本

 
 
価値観とは、どんな物事に価値を感じるかという
『ものの見方』です。

 
ものの見方は人それぞれですから、価値があると
感じる物事も、人それぞれ違います。

 
価値観は、充実した人生を送るために必要です

 
みんなが共通して持つ価値観とは何か?
失われるとヤバい価値観とは何か?
価値観が失われたらどうなるのか?

 
こんなふうに深掘りするのが今日のテーマです。

 

今日の結論

信じられる価値観を失うと
生きる目標も失う

絶望する男性

 

 

価値観は人それぞれ

人それぞれの価値観

 

まず最初に言っておくよ。

今日から3回に分けて話す内容はニーチェの哲学だ。

だからニーチェが言うように、宗教に対して否定的な言葉も出てくる。

うん。
だけど、神様が救ってくれることを信じて、誠実に生きる人を否定する気持ちは全く無いんだ。

何を信じて生きるかなんて、その人の勝手だからね。

他人の生き方に、偉そうに口出しする気は無いってこと?
口出しはしようと思ってるよ。

ニーチェのようにね。

でもそれは、自分の人生に、価値を感じられなくなった人が対象だ。

自分が何のために生きているのか、わからなくなった人。

つまり、信じられる価値観を、失ってしまった人へのアドバイスだね。

信じられる価値観を失った人‥‥

そもそも『価値観』って何なの?

 

価値観とは何か?

価値のイメージ

 

何を良いと思って、
何を悪いと思うのか?

ざっくり言うと、この問いへの答えが『価値観』だよ。

・・・
良い人生とは、どんなものですか?

こんな質問をされたら、人によって答えは違うよね?

でしょうね。

10人いたら、10通りの答えが返ってきそうだわ。

金持ちになる人生
賢くてみんなに尊敬される人生
他人に優しくする人生

良いと思う人生は、人それぞれだ。

みんな違うものに『価値』を見出しながら生きている。

何を『良い』と思うか。

つまり、何に対して『価値がある』と思うか・・・

そう。それが『価値観』だ。

 

価値観が崩れると無気力になる

無気力な女性

 

君も、何かしらの価値観を持って生きてるんじゃないかな?
そうね。

私の場合は、結婚して、子供を作って、家族みんなで健康に生きる人生に価値を感じるわ。

なるほどね。幸せそうな人生だ。
何か間違ってる?
いや、価値観に正しいとか間違ってるとかは無いんだよ。

君がその価値観を大切にして、前向きに充実して生きているなら、問題なんて何も無い。

だけど少しだけ想像してみよう。

その価値観が崩れてしまった時、君はどうなるのか?

価値観が崩れる?
そう。

結婚相手が浮気ばかりする
子供が言うことを聞かない
家庭内の問題が絶えない

そんな状態が続いたら、君の価値観は揺らいでくるかもしれないね。

・・・
そうかもね・・・

そんなことにならないように頑張るでしょうけど、

どうにもならなかったら、価値を感じ続けるのは難しいかもしれない。

価値観が崩れる、とはそういうことなんだよ。

本当に価値があるんだろうか?

こんな疑いを持ってしまう状態だ。

悲しくなったり、目標を失ったり、絶望したりするだろう。

そうね‥‥

結婚したら幸せになれるって、強烈に思って生きてきた人が、

そうじゃない現実に直面したら‥‥

生きる目標を失ってしまう。

絶望感が、前向きに生きる活力を奪って、無気力な状態を作り出す。

 

価値観が崩れた現代社会

価値観が崩れる

 

昔の人は、今よりずっと、わかりやすい価値観で生きていられたんだ。

結婚したら幸せになれる

マイホームを建てたら安心できる

一流企業に就職したら一生安泰

若いうちは給料が少なくても
我慢して働き続ければ年収が上がる

男が働きに出て、女が家を守る

うん。それはわかる気がするわ。

多くの人が、同じ価値観を持っていたってことよね?

そうなんだ。みんなが同じような価値観を持っていて、それを目標にして頑張れたんだ。

つらく苦しくても、価値のある人生を送っている充実感があった。

うん。わかるわよ。

でも今は状況が変わってきたわね。

そのとおりだ。

離婚率は30%を超えたし、マイホームは資産ではなく負債だと主張する本もベストセラーになった。

一流企業はバタバタと倒産し、年功序列の制度も過去の話だ。

いまどき「女は家を守れ」なんて言ったら袋叩きに遭うよね。

昔は良いと思われてた事なのにね。
ことごとく崩れ去ったわね。
そして、最も重要な価値観も崩れ去りつつあるんだ。
何よそれ。
『道徳』だよ。道徳的な価値観。

答えだけ先に聞いても多分わからないから、順を追って説明するよ。

 

『道徳』が崩れたらヤバい

道徳的な人々

 

崩れたら一番ヤバい価値観って、どんなのが思いつく?
そりゃあ「人殺しは悪い」っていう価値観でしょ。

この価値観が崩れてしまったら、怖くて外を歩けないわ。

たしかにそうだね。

じゃあ、その価値観を、もう少し掘り下げて考えてみよう。

「人殺しは悪い」という価値観の元になっているのは、道徳と呼ばれるものじゃないかな?

道徳・・・
・他人を傷つけてはダメ
・他人の物を奪ってはダメ
・富を独り占めしちゃいけない
・困ってる人がいたら助けなさい

例を挙げだしたら切りがないね。

そんな感じの、みんなが安心して暮らすための社会のルールが道徳だ。

人殺しは悪いという価値観は、この道徳から生まれたと思わない?

そうかもね。

殺されることへの恐怖心から生まれたって見方も出来るでしょうけど。

それもあるね。

殺されるのが怖いから、人殺しを憎むという心理もたしかにあるよ。

でも、そんな心理もひっくるめて、道徳というルールを決定づけた親玉が誰なのかわかるかな?

??

 

道徳は宗教から生まれた?

神が教えを説くイメージ

 

神様だよ。

宗教が、道徳を作り上げたんだ。

もう少し具体的に言えば、キリスト教が道徳の元になった。

えーそうなのかな?

道徳って、人間が当たり前に持ってるものじゃないの?

他人を傷つけちゃダメっていう考えは普通だと思うし、

キリスト教から学んだ覚えは無いんだけどな‥‥

人殺しは極端な例だからね。

死ぬのは誰だって怖いから、他人を傷つけちゃダメっていう考えは自然と生まれるだろう。

もう少し視野を広げて、いろんな
『道徳』を考えてみたらわかるよ。

たとえばお金に関する道徳だね。

お金の道徳に神様が関係してるの?
とても大きく関係しているよ。

君は、金儲けとボランティア活動、どっちが良い行いだと思う?

それはボランティア活動ね。
どうしてそう思うのかな?
どうしてって‥‥

うーん‥‥

金儲けって、自分のことしか考えてないイメージがあるわ。

ボランティア活動は他人のための行動だから偉いと思う。

なるほどね。

自分のために行動するより、
他人のために行動する方が偉い

そういう価値観だね?

そうね。自分より他人を大事に出来る人って偉いと思うわ。
わかりやすいように強者弱者に分けて考えてみようか。

お金で考えるなら、金持ちが強者で、貧乏な人が弱者だね。

君が言ってる、その大事にすべき他人って、自分より貧しい弱者じゃない?

・・・

まぁたしかに、私より恵まれてる人に援助しようとは思わないわね。

助けないといけないのは、私より困ってる人だわ。

君は強者に対して、自己中心的な悪いイメージを持っている。

そして、弱者が救われるストーリーに価値を感じている。

これは明らかにキリスト教的な価値観だよ。

・・・

弱者が救われるストーリー  ・・・

言われてみれば、そんな道徳的な価値観を、親からも先生からも教えられた気がするわ。

キリスト教が道徳を生んで、
その道徳が、君の価値観を作った。

この流れを詳しく追っていくよ。

 

弱者を救ったイエス・キリスト

貧しい者に食料を与えるキリスト

 

キリスト教の神様であるイエス・キリストは、弱者の味方だった。

医者にかかれないような貧しい病人を、国中を回って治療したし、

空腹にあえぐ者にはパンを与えて、神に救われる道を説いた。

今から二千年くらい前の話だね。

ちょっと想像できないほど昔の話だけど、弱者を救った事はわかるわ。
当時の価値観は、今とは全く違っていたんだ。

キリスト教の元になったのはユダヤ教なんだけど、

当時のユダヤ教の価値観では、弱者は罪人として見られていたんだ。

貧しいのも病気になるのも、神への信仰が足りないせいだと考えられていたからね。

罪人として差別もされていたんだ。

それってひどくない?

「信仰が足りないお前らが悪い」って言われちゃったら、貧しい人や病人はどうしたらいいのよ・・・

逃げ道が無いよね。

もっと神を信仰しろって言われても、ユダヤ教の戒律はとても厳しい。

食べる物も制限されるし、週に1日、何もしてはいけない「安息日」と呼ばれる日もある。

今日、食べる物にも困る人が、そんなの守っていられないよね。

弱者にとっては、とても生きづらい世の中だった・・・

そんな時にイエスは現れた。

弱者を救う者ね。
そう。救われない弱者の、絶望の中に生まれたヒーローだね。
イエス・キリストって最初から神様ではなかったのね。
元々はユダヤ教の信者だね。

弱者が苦しむ様子を見かねて、安息日でも病人を治療したり、

ユダヤ教徒を批判したりしたから磔の刑にされたんだ。

そしてその3日後に生き返って、多くの弟子たちの前に姿を現した。

いかにも宗教って感じの話ね。
まぁね。

イエスが生きている時、出来の悪い12人の弟子たちがいたんだ。

その弟子たちは、イエスの復活をきっかけに人格が変わった。

イエスこそが『救世主』だと信じられるようになったんだ。

キリスト教は、ここから始まった。

イエスの教えを、12人の弟子たちが広めていったのね?
そのとおり。

イエスの教えを『聖書』として書き残していった。

 

神様と一緒に道徳も崩れる

崩れそうな壁

 

ユダヤ教の一派として初期のキリスト教が生まれて、今では世界で一番、信者の多い宗教になったんだ。
なるほどね。

そうやって、弱者を救うストーリーが、道徳として世界中に広がっていったのね。

簡単に説明するとそうなるね。

キリスト教を国教と定めているような国に比べたら、日本人への影響は弱いけどね。

うん。
キリスト教が無くても、弱者の側に立つ価値観は生まれただろう。

でも、それを強く、明確に、人々の心に植え付けたのはキリスト教なんだ。

世界中の多くの人の心に、キリスト教的な価値観が、道徳として刻み込まれていった‥‥

長い長い年月をかけてね。

キリスト教徒じゃない私の心にも、何かしら影響を与えているわけね。
そういうことだね。

崩れたらヤバい道徳的な価値観は、イエスの教えが元になっている。

・・・

それ、崩れてきてるんじゃないの?

お察しのとおりだよ。

ニーチェは神は死んだと言った。

神様の存在を心の底から信じている人は、昔に比べれば激減している。

イエスが生き返ったって話は、正直言うと信じられないわ。
そうだろうね。

自然科学が発達した現代では、神様が起こした奇跡は信じられない。

解釈のしかたを工夫しないと、なかなか信じるのは難しいよね。

昔なら、道徳を疑う人がいても
「神様がそう言った」の一言で説得できたんだけどね。

道徳的な価値観が崩れたら、世の中はどうなってしまうの?
弱者が絶望する時代に逆戻りだね。

ここからの話は長くなるから、今日はここまでにしておこう。

次回にニーチェの主張と絡めて、神様と一緒に道徳が崩れたらどうなるのか解説するよ。

 

今日のまとめ

ニーチェ

 

『価値観』とはどんなものなのか、なんとなく理解できたかな?
まぁね。

どんな物事に価値を感じるのか

それが価値観よね。

価値があると思えるから、手に入れたい実現したいと思う。

だから人間は前向きに努力できる。

価値観って、生きる目標みたいなものだと思ったわ。

そのとおりだね。

目標に向かって進んでいれば、充実した人生を送れるね。

でも現代では、いろんな価値観が崩れてしまった。

崩れたらヤバい道徳的な価値観も、例外じゃないわね。
そうだね。

道徳は、弱者を救った神様の教えを元に作られた。

弱者の人生にも価値を与えるのが道徳的な価値観だ。

神様の存在を信じられなくなったら、道徳的な価値観も根拠を失う。

なんかちょっと怖いんだけど。

道徳が完全に失われるとは思わないけど、弱者を差別する世の中に戻っていきそうだわ。

弱者が生きる目標を失う世の中

次回はここを掘り下げていくよ。

 

今日の結論

信じられる価値観を失うと
生きる目標も失う

絶望する男性

 

次回に進みます

ニーチェとアドラー②ニヒリズムとは何か?道徳まで崩れたらどうなるのか?

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