アドラー心理学⑮ありのままの自分を受け入れると、他人を仲間と思える

    目次

    今日のテーマ

    今日は「自分を受け入れる」という行動について掘り下げていくわよ。

    『自己受容』ってやつだよな。他人より劣る自分を、素直に受け入れる。

    そう。アドラー心理学を実践する上で、とっても重要な行動よ。

    理由は3つあるわ。

    劣等感を味方にして、心を折らずに前向きに生きられる。

    他人との間に『横の関係』を築けて、対等に付き合える。

    アドラー心理学の目標である『共同体感覚』を得るきっかけとなる。

    ふむ‥‥ イマイチよく分からないが、大事な行動だと思っておくぜ。

    うん。とっても重要よ。
    今日は手っ取り早く結論から話すわ。

    「自分を受け入れる」っていうのは、
    「自分を更新する」という事なの。

    自分の情報を、常に、最新の状態にアップデートするって事なのよ。

    ?? 自分を更新? アップデート?

    なるべくわかりやすく解説するわね。

    今の自分が本当の自分

    friend

    さあ、いよいよアドラー心理学の最終目標、共同体感覚の話に入るわよ。

    まず最初はこれだな。
    「ありのままの自分を受け入れる」

    他人との接し方を『競争』から『対等』に切り替えて、

    最終的に共同体感覚を身に付けるために必要な行動よ。

    縦の関係から横の関係に、生き方を切り替えるってやつだな。

    その通り。共同体感覚を身に付ければ、人生の問題に立ち向かう『勇気』が手に入るわ。

    アドラー心理学では、何をするにも勇気が必要だよな。

    それを補充できる行動って、一番大事かもしれないぜ。

    たしかにね。
    アドラー心理学が『勇気の心理学』と呼ばれるのも納得よね。

    結局、ありのままの自分を受け入れるというのは、具体的にはどういう行動なんだ?

    ありのままの自分を受け入れる

    この行動は、過去の自分にも未来の自分にも逃げずに、『今の自分』が本当の自分だと認める行動よ。

    ‥‥いきなり来たな。わかりやすいように、何かに例えて教えてくれよ。

    わかったわ。でも例え話に入る前に、過去や未来よりも、

    『今』が一番大事だ、ということを理解してもらわないとね。

    ‥‥私は『今』より『未来』の方が大事だと思うんだけどな‥‥

    今の出来事なんて、もう起こってしまってるからどうしようもないぜ。

    だいたいみんなそう考えるわ。

    でも、魔理沙が生きている、この目の前に広がる現実の世界。

    これは『今』しかないのよ。

    人間は『過去』や『未来』を生きることはできないからね。 

    それは認めるぜ。タイムマシンでも使わない限り、過去や未来を生きるなんて出来ないからな。

    タイムマシンで過去や未来に行けたとしても、着いた瞬間が『今』になるから同じことよ。

    ‥‥たしかにそうか。

    どの時代にタイムスリップしても、そこに居る自分にとっては、過去でも未来でもなく『今』になるな。

    魔理沙が存在しているのはなの。

    人間が生きているのはだけで、人間はしか生きられない。

    ここまでは同意してもらえるかしら?

    まぁ、そうだな。昨日の自分や、明日の自分を動かすことは出来ない。

    自分が動けるのは『今』しかないぜ。

    つまり私はこう言いたいのよ。

    過去は、魔理沙の頭の中に『記憶』として存在するだけで、

    未来は、魔理沙の頭の中で作られた『想像』でしかない。

    なんか小難しい哲学みたいな話だな。

    ここは重要だから、ぜひ乗り越えて欲しいわ。

    まぁ、理解はできるんだぜ。

    過去の自分なんて記憶の中にしか居ないし、未来の自分は想像の世界にしか居ない。

    この世に、自分は一人しか存在しないんだからな。

    ありがとう魔理沙。ここまでを理解してもらえたら本題に入れるわ。

    「自分を受け入れる」という話を、テストの点数で例えてみるわね。

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    悪い点数を受け入れる話

    わかりやすい例え話でお願いするぜ。

    当然そのつもりよ。テストの点数における、「自分を受け入れる」という行動はこんな感じよ。

    過去にずっと80点を取っていても、今回が50点だったら、本当の自分は50点だと考える。

    ん??

    ずーっと80点を取ってたのに、今回50点だったら、50点が本当の自分だと考えないといけないのか?

    その通りよ。

    たしかに過去はただの記憶かも知れないが、ずっと80点だったのは事実なんじゃないのか?

    そうね。過去に80点を取り続けていたのは事実かも知れないわ。

    でも80点だった『過去の自分』が、本当の自分だと考えてしまうと、

    目の前にある50点の答案はまちがいという事になってしまうわよ。

    「今回だけ、たまたま悪かった」って考えたら、まちがいになっちゃうかも知れないな。

    でもまちがいじゃないわ。
    50点の答案が最新の事実なの。

    『50点の今の自分』を否定して、『80点の過去の自分』を本当の自分だと考える‥‥

    これは目の前の現実から目をそらして、過去に逃げる生き方だわ。

    目の前の現実から逃げたいから、過去の自分が本当の自分だと思い込もうとする‥‥‥

    劣等感で似たような話があったな。

    劣った自分を受け入れず逃げる心理。
    『劣等コンプレックス』ね。

    劣等感は階段をイメージするとわかりやすいからね。

    現在地が50点、目的地が80点の図がこんな感じよ。

    同じレベルだと思っていた友達が、急に自分より上になっちゃったわね。

    50点の『現在地』にいる自分を受け入れられないから、言い訳して逃げちゃうのよ。

    「今までずっと80点だった」という、過去に逃げ込むってわけだな。

    そうね。友達から「何点だった?」って聞かれたら、

    「部活の大会前で勉強できなくて、点数がとれなかったよ」

    なんて言い訳するかもしれないわね。

    なるほどな‥‥

    『今』の自分を受け入れなかったら、目の前の『現実』を否定することになっちゃうのか‥‥

    過去にも未来にも逃げず、
    今の自分を素直に受け入れる


    これが『自己受容』よ。

    ふむふむ‥‥
    過去にも未来にも逃げない‥‥

    過去へ逃げる『劣等コンプレックス』はわかったが、未来に逃げるってのはどういう事なんだ?

    友達から何点だったか聞かれた時に、「80点だったよ」と嘘をついてしまう場合ね。

    次のテストで「また80点取れるはずだ」って、未来の自分の可能性に逃げるイメージよ。

    それは『優越コンプレックス』だな。

    50点の自分が恥ずかしいから、強がって80点の自分を演じる。

    今の自分は本当の自分じゃない! 本当は80点を取れるんだ!

    そんな、未来に逃げる強がりね。

    過去に逃げる 未来に逃げる

    このどちらにも共通してるのは、50点を取った『今』の自分を受け入れていない事よ。

    「くやしいけど50点だったよ」って素直に言えるのが理想だよな。

    ありのままの自分を受け入れる人だったら、間違い無くそう言うはずね。

    間違えた所を教えてもらったり出来るから、他人を『仲間』だと感じやすいというメリットもあるわ。

    他人と競争する『縦の関係』で生きていると、50点を受け入れるのは負けになるから難しいな‥‥ 

    そう。自分と他人とを比べる生き方では、素直に『今』を受け入れ続けるのは難しいのよ。

    ちなみに、魔理沙はパソコンで文章を入力したりしてる?

    ?? なんだよ突然。

    受け入れるとは上書きすること

    いいから教えてよ。

    ワードやエクセルを使って、文章を書いたり表を作ったりしてるぜ。

    それがどうかしたのか?

    文章や表を作ったら、必ず『保存』するわよね?

    当然するぜ。ファイルに変更を加えたら『上書き保存』するな。

    変更前のファイルも、後で必要になるかもしれないと思ったら、

    ファイル名を変えて、古いのと新しいの、どちらとも保存しておくぜ。

    「自分を受け入れる」というのは、その上書き保存だと考えれば分かりやすいかもね。

    ・・・?

    『魔理沙の人生』というファイルは、この世に一つしかないわ。

    だから名前を変えて、古いのと新しいのを2つとも保存しておく、ということは出来ない。

    ファイルに変更があったら『上書き』するしかない。

    人生を『ファイル』に置き換えて考えたらそうなるな。

    私は同時に複数の人生なんて生きられないからな。

    常にひとつの人生を、上書きしていくしかない。

    『50点を取った自分』という最新の情報が受け入れられないのは、

    『80点の自分』を『50点の自分』で上書きするのが許せないからだとは思わない?

    『50点の自分』で上書きしたら、
    『80点の自分』は消えてしまう。

    悔しくて上書き保存のボタンが押せない気持ちが分からなくもないな。

    でも、最新の情報で上書きをしなかったら、嘘をついて生きる事になっちゃわない?

    当然そうなるよな。

    80点の自分のまま放っておいて、情報を『更新』しなかったら、

    50点の自分は隠しておかないとおかしな事になっちゃうぜ。

    今、良い言葉がでたわね。

    ・・・?

    冒頭に話した、今日の結論にたどり着いたわね。

    ありのままの自分を受け入れる

    この行動は、最新の状態に、自分を「更新する」という事なのよ。

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    勇気を持って自分を更新する

    自分を更新する‥‥

    過去でも未来でもなくての自分を本当の自分だと認める。

    それは自分を更新することなの。

    わかりにくかったら『過去』の自分を『今』の自分で上書きする、と考えればいいわ。

    なるほどな。
    たしかに自分の情報を更新しなかったら、ずっと古い自分のままだな。

    そんな状態じゃあ『今の自分』を否定するしかないぜ。

    どんなに『今の自分』が嫌いでも、勇気を出して上書きする。

    過去や未来や他人がどうであろうと、今の自分が本当の自分だと認めて、自分の情報を更新するのよ。

    過去に逃げず、未来に先延ばしせず、まずは今の自分の『現在地』をはっきり確定させるんだな。

    まさしくその通りよ。
    「ありのままの自分を受け入れる」というのは、そういう行動なの。

    ありのまま というのは なんだな。

    昔、どんなにカッコよくても、髪がフサフサでも、仕事が出来ても、賢くても、金持ちでも、健康でも、

    いかに明日、来年、十年後の未来が輝かしいものに思えたとしても、

    今』が現実なのよ。過去や未来はただの記憶や願望よ。

    目の前に広がる、現実世界を生きる『今の自分』が、正真正銘、本当の自分なのよ。

    今日のまとめ

    今日はこの辺りで終わりにするわ。

    次回はどういう内容になるんだ?

    どうしても自分を受け入れられない人への、処方せんを話そうと思うわ。

    ありのままの自分を受け入れると、結局どうなるんだっけ?

    冒頭にも言ったけど、おおよそ この3つの変化ね。

    劣等感を味方にして、心を折らずに前向きに生きられる。

    他人との間に『横の関係』を築けて、対等に付き合える。

    アドラー心理学の目標である『共同体感覚』を得るきっかけとなる。


    いろんな良いことがあるわね。

    他人と対等に付き合えれば「仲間になる」という目標も達成できるわ。

    the goal

    この人生の目標の、一番下の部分ね。

    たしか共同体感覚を身に付けると、この目標を達成できるんだったな。

    よく覚えててくれたわね。

    次回以降に話すけど、自立調和にも、自己受容は関係してくるわ。

    自分を受け入れるという行動は、とにかく大事なんだと思っておいてね。

    現実から目を背けちゃいけないよな。

    みんな、わかっているんだろうが‥‥

    そう。わかっててもなかなか出来ないのが自己受容だわ。

    なぜ出来ないかは次回に話すわね。

    自己受容は、とにかくやるしかないから頑張りましょう。

    次回に進みます

    嫌われる勇気の徹底解説

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