今日のポイント
自分を受け入れる
【 他人より劣る自分を素直に受け入れる 】
この行動は、アドラー心理学を実践する上で
非常に重要です。
理由は3つあります。
劣等感を味方につけられる
横(ヨコ)の関係での生き方に必要
共同体感覚の重要なパート
結論から言うと自分を受け入れるというのは、
『自分を更新する』という事です。
最新の状態にアップデートするという事です。
なるべく分かりやすく解説していきます。
YOUTUBE【ゆっくり解説】
今の自分が本当の自分

「ありのままの自分を受け入れる」


最終的に『共同体感覚』を身に付けるために必要な行動だよ。


共同体感覚を身に付ければ、人生の問題に立ち向かっていく勇気を補充できるんだ。
-
-
アドラー心理学⑦共同体感覚は人生に立ち向かう勇気を補充する
続きを見る


アドラー心理学が「勇気の心理学」と呼ばれるのも納得だよね。


ありのままの自分を受け入れる
この行動は、過去の自分にも、未来の自分にも逃げずに、
「今の自分」が「本当の自分」だと認めることなんだ。


例え話に入る前に、過去や未来より『今』が一番大事だ、ということを理解してもらわないとね。
「今」が一番大事


でも、きみが生きている、この目の前にある現実の世界。
これは『今』しかないんだ。
人間は『過去』や『未来』を生きることはできないからね。
タイムマシンでも使わない限り、過去や未来を生きることなんて出来ないわよね。


どの時代にタイムスリップしても、そこに居る自分にとっては過去でも未来でもなくて『今』になるわね。


人間が生きているのは今だけで、
人間は今しか生きられない。
ここまでは同意してもらえるかな?
昨日の自分や、明日の自分を動かすことはできないんだから、自分が動けるのは今しかないわね。


過去はきみの頭の中に
「記憶」として存在するだけで、
未来はきみの頭の中で作られた
「想像」でしかない。


過去の自分なんて記憶の中にしか居ないし、未来の自分は想像の世界にしか居ないわ。
この世に、自分はひとりしか存在しないんだから。


自分を受け入れるという話を、テストの点数で例えてみるよ。
YOUTUBE【ゆっくり解説】
悪い点数を受け入れる話


過去に、テストで80点を取っていたとしても、今50点だったら、本当の自分は50点だと考える。
これが自分を受け入れるということだよ。
たしかに過去はただの記憶かもしれないけど、ずっと80点だったのはさすがに事実だと思うわ。
ずーっと80点を取ってきて、今回だけ50点だったのに、50点が『本当の自分』だと考えないといけないの?


でも80点だった過去の自分が『本当の自分』だとすると、
今、目の前にある50点の答案は「まちがい」ということになってしまうよね。


50点の答案が最新の事実なんだ。
50点を取った今の自分を否定して
80点を取っていた過去の自分を、
『本当の自分』だと考える‥‥
これは目の前の現実から目をそらして、過去に逃げる生き方だ。
劣等感の話の時に、似たようなのがあった気がするわ。






逃げたり、強がったりして、悪い劣等感に発展してしまう。


この場合は『劣等コンプレックス』の図を見てみよう。

目的地が80点で、現在地が50点ということになるね。
-
-
アドラー心理学⑬【良い劣等感】と【悪い劣等感】のイメージ図
続きを見る


それが50点を取ってしまったら、現在地が50点になってしまう。
同じレベルだと思っていた友達が、急に自分より上になる。
50点の現在地にいる自分を受け入れられないから、言い訳して逃げるということだね。


「今までずっと80点だったから、自分の本当の実力は80点なんだ」
「今回は運が悪かっただけだ」
そんな『言い訳』や『嘘の原因』を作りだすんだね。


友達から「何点だった?」って聞かれたら、
「部活の大会前で勉強できなかったから、点数がとれなかったよ」
なんて言い訳するかもしれないね。
現実とは『今』のことで、今の自分を受け入れなかったら、現実を否定することになっちゃうのね‥‥


過去 にも 未来 にも逃げず、
今 の自分を素直に受け入れる。
これが『自己受容』だよ。


「オレは80点だったけど、お前は何点だった?」
その時に「80点だったよ」と嘘をついてしまうような場合だね。
自分は次のテストで、また80点取れるはずだ、と未来の自分の可能性に逃げるイメージだね。
50点の自分が恥ずかしいから、強がって80点の自分を演じる‥‥


本当は80点を取れるんだ!
そんな、未来に逃げる強がりだね。
過去に逃げる。
未来に逃げる。
このどちらにも共通してるのは、50点の『今の自分』を受け入れていないことだね。


間違えたところを素直に教えてもらったり出来るから、他人を仲間だと感じやすいだろうね。


ちなみに、きみはパソコンで文章を書いたりしてる?

受け入れるとは
「上書き」すること

それがどうかしたの?


ファイルに変更を加えたときは、上書き保存をするわ。
変更前のファイルも後で必要になるかもしれないと思ったら、ファイル名を変えて、変更前と変更後のどちらも保存するわよ。




だから名前を変えて古いのと新しいのを2つ保存しておく、ということはできない。
ファイルに変更があったら、上書きするしかない。
私はひとつの人生しか生きられないからね。


『80点の自分』を『50点の自分』で上書きするのが許せないからだと思わない?
『50点の自分』で上書きしたら、
『80点の自分』は消えてしまう。
まぁ、悔しくて上書き保存のボタンが押せない気持ちも分かるわ。


でも最新の情報で上書きをしなかったら、嘘をついて生きることになるんじゃないかな?
80点の自分のまま放っておいて「更新」しなかったら、50点の自分は隠しておかないとおかしなことになるわ。




「ありのままの自分を受け入れる」
この行動は、最新の状態に自分を「更新」するということなんだ。
勇気をもって自分を更新する


それは自分を更新することなんだ。
わかりにくかったら『過去の自分』を『今の自分』で上書きする、と考えればいいよ。
たしかに自分の情報を更新しなかったら、ずっと古い自分のままだわ。
そんな状態じゃあ『今の自分』を否定するしかないわね。


過去や未来や他人がどうであろうと、今の自分が本当の自分だと認めて、自分の情報を更新するんだ。


それが『ありのままの自分を受け入れる』ということなんだ。


仕事で失敗しても
老けても 太っても
禿げても 病気になっても
津波で家が流されても
大切な人を失っても
他人がずっと先を進んでいても
『今』が現実なんだ。
過去や未来はただの妄想や願望だ。
現実世界を生きる『今の自分』が、正真正銘、本当の自分なんだよ。
どうしても出来ない人は?





心が折れにくくなる。
他人と競争する生き方から、他人と対等な生き方に切り替えるきっかけとなる。
つまり、ライフスタイル・性格を変える第一歩となる。
他人を仲間と思えるようになる。
共同体感覚につながる。
いろんな良いことがあるね。
特に他人を仲間と思えるようになるというのは、アドラー心理学の目標のひとつだね。


自分を受け入れる『自己受容』ができるようになると、他人の価値観で競争させられる『縦の関係』から抜け出せるから、『自立する』という目標の達成にもつながるよ。


自己受容の話が終わったら、こんな哲学っぽい難しい話は出さずに済むと思うよ。
次回を動画で確認
次回に進みます
-
-
アドラー心理学⑯現実を受け入れられない人はどうしたらいいの?
続きを見る
お気軽に何でも御質問ください
解説して欲しい本・お悩み相談なども受付中
「嫌われる勇気」の解説
-
-
アドラー心理学『嫌われる勇気』を要約して5行でまとめる
続きを見る