アドラー心理学入門

アドラー心理学⑪「劣等感」はどんな仕組みから生まれるのか?

劣等感の画像

 

今日のポイント

【重要】劣等感を理解する 

 

ついに「劣等感」を語る段階まで来ました。

 
『共同体感覚』を身に付けるために、
他人との間に『横(ヨコ)の関係』を築いていく。

 
それを邪魔する『縦(タテ)の関係』・・・

他人と比べる生き方

 
縦の関係での生き方を捨てるために、避けて通れ
ないのが、劣等感のしくみを理解することです。

 
ここを乗り越えればゴールはすぐそこです。

道筋

 

 

共同体感覚とは?

共同体感覚
アドラー心理学⑦共同体感覚は人生に立ち向かう勇気を補充する

続きを見る

横(ヨコ)の関係とは?

横の関係
アドラー心理学⑧褒めるより叱るより感謝!横の関係を築こう!

続きを見る

縦(タテ)の関係とは?

縦の関係
アドラー心理学⑩「縦の関係」で生きるひとは他人を差別する

続きを見る

 

YOUTUBE【ゆっくり解説】

 

 

成長は劣等感から始まる

見上げる

 

いよいよ劣等感の話をしていくよ。

まずは大前提として、このことは強く意識しておこう。

劣等感はすべての人が持っている

それはなんとなくわかるわ。

劣等感の無い人なんて、想像つかないもの。

そうだよね。

だいぶ前の話になるけど、こんな話をしたのを覚えてるかな?

『すべての悩みは対人関係の悩み』

だいたい覚えてるわよ。

それがどうかしたの?

この悩みというのは、そのまま劣等感に置き換えられるんだよ。
そうなの?

悩みと劣等感は同じ‥‥

ちょっと思い出してみるわ。

忘れてたら思い出してみよう。

自分以外の人間がひとりでも関われば、悩み、不満、つまり劣等感からは逃げられないんだよ。

生まれた瞬間から、無人島で一人で生きているような人は別だけどね。

 

すべての悩みは対人関係の悩み

自分を受け入れる
アドラー心理学①すべての悩みと喜びは対人関係から生まれる

続きを見る

 

そんな人なかなか居ないわよ。

仮に居たとしても、一人で生きてるんだとしたら、

言葉も何もないんだから『劣等感』なんて概念も無いはずだしね。

そうだね。

自分と比べる他人がいなかったら、そもそも劣等感は生まれない。

「私はと比べて走るのが遅い」なんて悩む人はいない。

他人と比べて自分が劣っていると感じるから劣等感が生まれる。

そんな話だったわね。
じゃあ、人はいつから劣等感を持つと思う?
そんなの、ひとそれぞれ違うような気がするけど‥‥

賢い人と、そうじゃない人とでは、その時期は違うんじゃないの?

これはすごくわかりやすい話なんだけど、人は、ものごころがついたらすぐに劣等感を持つんだ。
そんなに早くから?
そう。

人間は、自分だけでは何もできない状態で生まれてくるからね。

ほっといたらすぐに死んでしまう。

お腹が空いたり、オムツが濡れたりして不快に思っても、

自分ではどうしようもないから泣いて助けを求める。

そりゃそうでしょうね。
大人は立って歩いてどこでも行けるし、楽しそうに会話もしてる。

食べ物も好きな時に食べられる。

大人のようにしたい‥‥
けど、できない‥‥

子供は、無力な自分を自覚した瞬間から、劣等感まみれになるんだよ。

最初は親と自分を比べて劣等感を持つのね。
そう。みんな劣等感からスタートするんだ。

そして、その劣等感を克服するために、がむしゃらに動いて、

そのうちハイハイを覚えて、立ち上がって、歩きだす。

大人を真似してしゃべりだす。

うんうん。
そんな、不自由な状態からなんとか抜け出そうとする行動を、

アドラー心理学では「優越性の追求」と呼ぶんだ。

 

"優越性の追求"は不満からの脱出

不満から脱出

 

優越性の追求‥‥

これは言葉どおりに理解すればいいのかな?

そうだね。

赤ん坊の場合だと今言ったようなことだね。

やりたいことを、できるようにするために努力することだ。

もうすこし大きくなったら、勉強やスポーツを頑張るかもしれない。

自分を今よりも向上させたい!

そんな欲求、とも言えるね。

うん。
ここまでは分かりやすい話だわ。

何もできない状態で生まれてきて、周りの大人を見て劣等感を持つ。

それを克服するために‥‥
できるようになるために‥‥

自分を向上させるために努力する。

何の問題もないわね。

そう、ここまではいいんだ。

問題になるのは、その劣等感を克服できなかった時にどうなるのか?ということだね。

 

YOUTUBE【ゆっくり解説】

 

 

優越性の追求に失敗したら

挫折

 

努力しても克服できなかったら‥‥

わかりやすい例だと、どんな場合があるの?

おねしょが治らず、なかなかオムツが取れなくて親を心配させる。

勉強を頑張っても、テストの点数がまったく伸びない。

部活のスポーツを頑張ってるのにスタメンに入れない‥‥

いろんなパターンがあるよね。

そんなふうに、努力しても克服できない場合はどうなるの?
努力をすることから逃げるために、劣等感をいいわけに使いだす。
ん??  それって、トラウマの話の時に聞いたようなフレーズね。
よく覚えててくれたね。

そのとおりだよ。

『トラウマ』の意味を簡単に表すと
『劣等感の強烈なやつ』だからね。

同じことなんだ。

 

トラウマ・原因論・目的論

トラウマ
アドラー心理学②トラウマのせいにして逃げてはいけない

続きを見る

 

トラウマの話では、目の前の課題から逃げるために、過去のトラウマをいいわけに使うって内容だったね。

『原因論』『目的論』の話だ。

これと同じで、努力しても劣等感を克服できないときは、

努力をすることから逃げる為に、劣等感をいいわけに使いだすんだ。

抽象的すぎるわ。
もうちょっと具体的に教えて。
ごめんごめん。

ややこしい話になってきたね。
もっとわかりやすく説明するよ。

劣等感を持つことは、別に悪いことじゃないのよね?

それをバネにして劣等感を克服したり、自分を向上させたり、理想の自分に近づけたりするんだから。

そのとおりだよ。
わかりづらいのはその後だよね。

例えば母親が、

「わたしはテストで90点以上しか取ったことがないわ」

なんて自慢してたとしようよ。

そして子供は初めてのテストの点数が50点だった‥‥

この場合、たぶん子供は劣等感を感じるんじゃないかな。

そうね。
感じるのが当然だと思うわ。
そこで、その劣等感を克服するために一生懸命、勉強する。

ここまでは自分を高めるために努力するんだからいいとしよう。

でも、頑張って勉強して何回テストを受けても70点しかとれない‥‥

そうなった場合、どこかのタイミングで、努力する勇気がくじかれる

まぁ、それは想像できるわね。

何回もみじめな思いを繰り返したら、心が折れるかもしれない。

そして、努力する勇気がくじかれると、努力することが怖くなる。

みじめな思いをするのが怖くなる。

そうなるかもしれないわね。
そうすると、その子供は努力から逃げるためのいいわけに、劣等感を使いだすんだ。

ぼくは頭が悪いから勉強なんかしても無駄なんだ、ってね。

・・・。
そして、逃げる自分を正当化するために、ありもしない『原因』を作り出してしまう。

「お母さんが勉強を教えてくれないからだ」とかね。

父親の成績が悪かったとしたら、

「お父さんからの遺伝が強いから頭が悪いんだ」と思い込む。

まさに『原因論』の世界だ。

 

「劣等感」と「原因論」

課題から逃げる男性

 

「自分じゃなくて、親が悪い」ということにして、逃げる自分を正当化するのね?
そうだね。

他人のせいにして、努力から逃げる自分を正当化してしまう。

『劣等感』をこねくり回して、都合のいい理由を作りだして、目の前の課題から逃げようとする。

アドラー心理学では、このような後ろ向きになってしまった劣等感を、

劣等コンプレックスと呼ぶんだ。

劣等コンプレックス?

コンプレックスって、劣等感って意味じゃないの?

ちがうよ。

多くの人が勘違いしているけど、コンプレックスと劣等感は別物だ。

コンプレックスは、母親を独占するために父親と敵対する、みたいな倒錯した心理状態を指すんだ。

そうなの?知らなかったわ。
『マザコン』って言葉があるよね。

マザーコンプレックス。

母親に強すぎる愛着心を持ってしまって、執着して依存する。

この言葉の意味って劣等感とはちがうよね?

どっちかと言うと、コンプレックスの意味はこっちだね。

ともかくこれはアドラーじゃない心理学の話だから、ここで終わりにしておくよ。

面白そうだから今度教えてよ。
わかった。
機会があったら教えるよ。

話がそれてしまったから戻そう。

劣等感を持つことも、劣等感を克服するために『優越性の追求』をすることも悪いことじゃないのよね?

問題になるのは、目の前の課題から逃げるために劣等感をいいわけにする『劣等コンプレックス』ね。

 

逃げるイメージ

 

そう。

ありもしない『原因A』を作りだして『課題B』から逃げようとする。

「AだからBできないんだ」と思い込むのが劣等コンプレックスだね。

前向きにがんばっても報われないから心が折れる。

がんばる勇気がくじかれて、目の前の課題『B』から逃げたくなる。

でも逃げるのは恥ずかしい。

だから、逃げて当然なんだと自分を納得させるための、理由『A』を無自覚に捏造する。

『A』だから『B』できないと思い込む。

『A』じゃなければ、僕は『B』できるんだ、という可能性に逃げ込んで自分を守る。

これ以上、みじめな思いをしないために‥‥

なんだか可哀そうな話だわ。

そうだね。

でも程度の差はあるけど、みんな毎日、これをやっているんだよ。

「いそがしいからできない」
「やったことないからできない」

「あの人ができないんだから、自分ができなくても仕方ない」

「こんな性格だから、あんなことできない」

えっ?性格を理由にするのも劣等コンプレックスなの?
性格は変えられるからね。

性格は変えられない、と思い込むのも劣等コンプレックスだね。

性格って変えられるんだ。
知らなかったわ。
自分のことや、自分の外の世界をどのように解釈するのか?

そんな価値観や世界観もふくめて、アドラー心理学では『性格』ではなく
「ライフスタイル」と呼ぶんだ。

ライフスタイル?
話が長くなってきたから今日はここまでにしておこう。

ライフスタイルの話を始めてしまったら話が終わらないからね。

性格は変えられるって話は、すごく興味あるわね。

わかりやすく教えてよね。

もちろんだよ。

『性格』も含めて、大切なポイントになる『ライフスタイル』を、なるべくわかりやすく解説するよ。

劣等コンプレックスから抜け出す方法も教えるからね。

 

次回に進みます

優越性の追求
アドラー心理学⑫「悪い劣等感」は他人との競争を生んで敵を作る

続きを見る

 
 

今日のまとめ

劣等感はすべてのひとが持っている。

他人と比べて自分が劣っていると感じるから劣等感が生まれる。

こどもは不自由な自分を自覚した瞬間から劣等感を持つ。

劣等感を克服するために努力をすることや、自分を今より向上させたいという欲求を持つことを、アドラー心理学では「優越性の追求」と呼ぶ。

劣等感を持つこと、優越性の追求をすること、どちらも成長につながるので問題ない。

問題が起きるのは、劣等感を克服できず、前に進む「勇気」がくじかれた時。

「勇気」がくじかれると、努力することが怖くなる。

その怖さから逃げる為に「劣等感」をいいわけに使いだす。

原因論に逃げ込んで、ありもしない「原因」を作り出して、そのせいにする。

その「原因」がなければ私はできるんだ、という可能性に逃げるようになる。

このような後ろ向きになってしまった劣等感を「劣等コンプレックス」と呼ぶ。

自分の「性格」のせいにして課題から逃げることも「劣等コンプレックス」。

「性格」は変えられる。

性格や、ものの見方、受け取り方、人生観、世界観などをひっくるめて
アドラー心理学では「ライフスタイル」と呼ぶ。

自分の「ライフスタイル」を変えて
「劣等コンプレックス」から抜け出すためにはどうしたらいいか?
→  次回

 

次回に進みます

優越性の追求
アドラー心理学⑫「悪い劣等感」は他人との競争を生んで敵を作る

続きを見る

 

お気軽に何でも御質問ください
解説して欲しい本・お悩み相談なども受付中

 

 

オススメしたい本

◀  【嫌われる勇気】の続編
大ベストセラー【嫌われる勇気】の
内容を、さらに具体的な行動に落と
し込んだ本です。
横の関係に関しては、前作よりも
こちらの方が濃い内容です。

幸せになる勇気  amazonリンク

 

◀  最強のアドラー心理学本
言わずと知れた、大ベストセラー。
サイト管理者の人生を変えてくれた
本です。自由・幸福・教育など‥
人生の様々な場面で活躍する考えを
知ることが出来ます。

嫌われる勇気 amazonリンク

 

「嫌われる勇気」の解説

読書
アドラー心理学『嫌われる勇気』を要約して5行でまとめる

続きを見る

劣等感をマスターする

劣等感・意味の記事サムネイル
【劣等感の意味とは?】心理学・哲学・仏教などから正しく学ぼう

続きを見る

 

-アドラー心理学入門

Copyright© mikotoblog.com , 2022 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.