アドラー心理学②トラウマのせいにして逃げてはいけない

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    今日のテーマ

    第2回の今日は、『トラウマ』について話していくわよ。

    ・・・トラウマか。
    なかなか重いテーマだな。

    まぁそうね。
    あんまり重くは話さないけどね。

    トラウマってやっかいなもんだよな。

    過去のひどい経験・記憶が、今の自分を苦しめる‥‥

    苦しむ自分がイヤで、変えたいと思うけど変えられない‥‥

    そんな人への処方箋を解説するわ。

    すごいぜ霊夢。
    トラウマを治せるのか?

    治すというか‥‥

    『トラウマなんて存在しない』
    というのがアドラー心理学のスタンスだからね。

    え・・・  そうなのか・・・?

    イマイチ信じられない話なんだぜ‥‥

    ちゃんと説明するから安心してね。

    トラウマなんて存在しない?

    『トラウマ』って、結構みんな普通に使う言葉だよな?

    『トラウマなんて存在しない』ってアドラーは言ってるのか?

    そうよ。衝撃的よね。

    その言葉を聞いただけじゃ納得できないんだぜ。

    じゃあ、まずは一つ例を挙げて説明するわよ。

    例えば、過去に父親から虐待を受けた女性がいるとしましょうか。

    trauma

    うん。

    その女性は、好きな男性と恋愛関係に発展しても、それ以上、関係を深めるのが怖くなって別れてしまう。

    その女性は、こう言うの。

    「会話程度なら問題ないけど、 恋愛を意識して関係を深めようと思うと、

    過去に父親から受けた暴力が頭に浮かんできて、怖くなって距離をとってしまう‥‥」

    ‥‥まぁ、虐待みたいな経験をしたのなら、怖くなってしまうのもわかる気がするぜ。

    この女性の言い分をまとめると、こんな感じになるわね。

    『過去の自分』が虐待を受けたから、
    『現在の自分』が、好きな男性との関係を深められない‥‥

    ‥‥まぁ、そういうことだろうな。

    さらに踏み込んで考えるわよ。

    過去に虐待を受けたという『原因』があって、

    今の自分が、好きな男性との関係を深められない、という『結果』になっている。

    何もおかしなところは無いんだぜ。

    勉強をしなかったからテストの成績が悪い、っていうのと同じだろ?

    結果には必ず原因がある。

    常識なんだぜ。

    アドラーは、そんな常識が本当に正しいのか、常に疑う人だったのよ。

    原因があって結果がある

    この考え方は原因論と呼ばれるわ。

    原因論‥‥

    今、困っている原因は、過去の自分の経験の中にある、という考え方ね。

    アドラーはこの考え方を真っ向から否定するのよ。

    どうして否定するんだ?

    正しい考え方だと思うし、真実としか思えないぜ。

    『原因論』は後ろ向きな考え方で、

    「過去の経験が今の自分を決める」

    という考え方だから否定するのよ。

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    過去は変えられない

    もう少し考えを深めるわよ。

    トラウマを持つ女性が、男性と深い関係に踏み込めない自分を『変えたい』と思ったとするわ。

    好きなのにうまくいかないなら、『変わりたい』と思って当然なんだぜ。

    でも『過去の経験が今の自分を決める』と考えてしまったら、

    過去は終わった事だから変えられない
    だから今の自分も変えられない


    そういう事になってしまうわね。

    まぁ『変えられない』と決めつけてしまうのはどうかと思うけど、

    変えられなくても仕方ないかな?という印象はあるな。

    そうなっちゃうわよね。
    でも、よく考えて欲しいの。

    長い間ずっと悩み続ける人もいれば、さっさと克服しちゃう人もいるわ。

    そりゃそうだぜ。
    人の性格は同じじゃないんだ。

    『性格』についてはまた別の機会に話すけど、じゃあその人たちって何が違うのかしら?

    ‥‥悩み続ける人と、克服してしまう人の違い‥‥

    性格はおいとくとして‥‥

    違うのは『考え方とか受け止め方』じゃないかな?

    そうね。
    同じ経験をしても人によって結果が違ってくるのは、過去の経験を、

    どう受け止めるのか?
    どう解釈するのか?


    これらが人によって違うからよ。

    ‥‥言いたい事はわかるが、過去の解釈や受け止め方が違うから、どうだっていうんだ?

    過去は、もう『終わったこと』だから変えられない。

    だけど、解釈の仕方や受け止め方は、『今の自分』の問題よ。

    過去は変えられない
    だけど今の自分は変えられる


    『自分を変えたい』と願うなら、

    変えられない『過去』ではなくて、変えられる『今』に注目しないといけないのよ。

    どうしたらそんな事が出来るんだ?

    変えられない『過去』は無視して、変えられる『今』に注目するなんて‥‥

    アドラーは、こう言うのよ。
    原因論から『目的論』に、考え方を切り替えなさいってね。

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    目的論で考えよう

    なんだそれ? 目的論?

    アドラーは『原因論』の逆の考え方として、『目的論』というものを提案したのよ。

    ‥‥原因があって、結果がある。

    それが『原因論』だよな。

    それの逆の考え方‥‥
    イマイチ理解できないんだぜ‥‥

    とても大事なことだから、なるべくかみ砕いて説明するわよ。

    何が違うのかというと、「注目」するところが違うの。

    『過去』に注目するのが原因論。
    『目的』に注目するのが目的論ね。

    霊夢。何が何やらさっぱりだぜ‥‥

    わかりやすく、さっきの女性で例えてくれよ。

    わかったわ。さっきの女性を『原因論』で考えてみると、

    トラウマがあるから男性との関係を深められない、という事よね?

    そうだな。

    トラウマという『原因』のせいで、男性とうまくいかない‥‥

    それを『目的論』で考えるとどうなるんだ?

    女性の行動の『目的』に注目するの。

    この場合は『男性との関係を深めない』というのが目的になるわね。

    男性との関係を深めない、という目的を達成するために、トラウマを言い訳に使っている、という事になるわ。

    はぁ? ?男性と仲良くならないために、トラウマを言い訳にして避けてるって言うのか?

    さすがにそれは無理があるだろ。

    その女性は関係を深めたいんだぜ。

    関係を深めたいけど、トラウマがあるから出来ないんだぜ?

    それは原因論での考え方ね。

    もう少しわかりやすく言い直すとこうなるわ。

    『男性との関係を深めるのが怖くて
    トラウマのせいにして逃げている』

    ・・・

    関係を深めて得られる『喜び』よりも、傷つくことへの『怖さ』が勝っている状態ね。

    ‥‥‥ 恋愛の喜びより、恋愛の怖さが勝っている‥‥?

    だから、男性との関係を深めない自分への言い訳として、トラウマを持ち出しているのよ。

    なんかごちゃごちゃと理屈っぽい、ややこしい話だな。

    原因論で考えると、
    トラウマがあるからうまくいかない

    目的論で考えると、
    トラウマのせいにして逃げている

    短くまとめるとそうなるわね。

    これは考え方を変えただけだろ?

    男性と関係を深められないのは、どちらも同じだと思うぜ。

    その通りよ 魔理沙。
    まさに『考え方』の違いなの。

    トラウマがあるからうまくいかない
    と考えても、

    トラウマのせいにして逃げている
    と考えても、

    男性とうまくいかないっていう事実はどちらも同じね。

    でもね、この2つの考え方には、決定的な違いがあるのよ。

    何だ? 決定的な違いって。

    原因論では、トラウマは過去の出来事だから変えられなくて、先に進めないんだけど、

    目的論では、逃げているのは『今の自分』の問題だから、先の人生を選ぶことができるわ。

    ???

    『過去』は変えられないけど、
    『今の自分』は変えられる。

    なぜ変えられるかと言うと、
    『今の自分』は選べるのよ。

    『トラウマを言い訳に使わない』
    という選択肢をね。

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    今日のまとめ

    トラウマの話はまだ続くから、一旦ここまでをまとめるわよ。

    今日のキーワードは3つだったわ。
    トラウマ・原因論・目的論

    なんか理屈っぽい話だったが、とりあえず私はこう理解したんだぜ。

    トラウマを克服する為には『考え方』を変えないといけない。

    過去の原因に注目する原因論から、
    今の目的に注目する目的論に‥‥

    ここからさらに掘り下げていくから、今はその理解で十分よ。

    過去は変えられないけど
    今の自分は変えられる


    過去から今に注目を移すためには、過去の原因ではなく、今の目的に注目する、目的論で考えないといけない。

    目的論で考えれば、自分を変えるための『選択肢』が手に入る。

    そんな内容だったわね。

    なるほどな‥‥

    変えられない『過去』
    変えられる『今』

    自分を変えたいなら、『今』に注目するしかないってことだ。

    ここからはどんな話になるんだ?

    『トラウマは存在しない』

    これを理解できるところまで掘り下げていくわよ。

    原因論と目的論の話も、図解してもっとわかりやすく伝えるわね。

    次回に進みます

    嫌われる勇気の徹底解説

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