アドラー心理学③目的論という生き方でトラウマを克服する

    目次

    今日のテーマ

    今日は、トラウマの話の後編よ。

    トラウマに限らず「自分を変えたい」と願う人が、なぜ変われないのか、アドラー心理学を使って話していくわ。

    「自分を変えたい!」

    これって多くの人の願いだと思うぜ。

    そうね。自分に満足できてる人なんて少ないでしょうね。

    自分を変えたい‥‥
    でも、変えられない
    ‥‥

    そんな人の心の仕組みを、わかりやすく『図』を使って説明するわね。

    『理想の自分』に変われたら凄く嬉しいんだぜ。

    私のためにも、よろしく頼むぜ。

    courage

    そんな魔理沙のために、今日は結論から先に話すわね。

    人が変われないのは『現状維持』を選択し続けるからなの。

    本当はたくさん人生の選択肢があるのに、わざわざ『現状維持』を選択してしまうから変われないのよ。

    ‥‥いきなり来たな。
    よくわからん話なんだぜ。

    10分後には理解できているはずよ。

    過去に引っ張られたら、現状維持を選択してしまい、自分を変えることが出来ない。

    この考え方を解説していくわ。

    前回のおさらい

    前回は『トラウマ・原因論・目的論』の話をしたけど覚えてる?

    覚えてるぜ。
    トラウマを克服したかったら原因論じゃなくて目的論で考えよう、という内容だったぜ。

    簡単にまとめるとそんな感じね。

    『過去の出来事』は、タイムマシンでも使わない限り変えられないけど、

    『今の自分』は変えることが出来る。

    過去に注目する『原因論』から、今に注目する『目的論』の考え方に切り替えれば、

    自分を変える選択肢が見つかるのよ。

    sad girl

    完全には理解できていないが、変えられない『過去』にこだわってちゃいけないんだぜ。

    トラウマがあるから男性とうまくいかない、とは考えずに、

    傷つくのが怖いから、トラウマのせいにして逃げようとしている

    こんな風に考えるんだったな。

    その通りね。過去のトラウマに注目しちゃダメなの。

    怖くて逃げようとしている『今の自分』に注目しないといけないわ。

    トラウマを言い訳にしない道を選ばないとな。

    そうね。大事なのは『人生は選べる』ということを知ることなのよ。

    『目的論』はわかりにくいから、さらに深く、かみ砕いて説明するわね。

    生き方は選べる

    人は、選ぶことが出来るわ。

    トラウマに振り回されて生きるか。

    トラウマを言い訳に使わず、前に進んで生きていくか。

    ・・・

    「変わりたいけど変われないんだ!」
    そんなふうに思っている人は、

    『今までと同じ生き方』を、選択しているだけなんだと、自覚しないといけないわ。

    今までと同じ生き方を、選択しているから変われない‥‥

    そうそう。自分を変えられない人は、『現状維持』を選択して生きている。

    変わりたいと思う人が、一番選んではいけない選択肢が現状維持よ。

    本当はたくさん選択肢があるのに、その中から現状維持を選択し続けるから変われないの。

    なるほどな‥‥

    人生の選択肢なんて沢山あるんだぜ。

    その中からわざわざ現状維持を選択するのは、原因論で考えるからだな。

    『過去の経験が、今の自分を決める』と考えたら、現状維持が居心地いいに決まってるぜ。

    人は常に、生き方を選んでいるの。

    もし「選んだ覚えはないぞ!」という人がいたら、その人は現状維持を無自覚に選んでいる。

    そういう人、いるんだぜ。

    流されて生きている人は、選んでないんじゃなくて、流されることを毎日選んでいるんだな‥‥

    そういう事ね。ここで、原因論のイメージ図を見てみるわよ。

    原因論では、人生を『一本の線』のように考えてしまうの。

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    原因論のイメージ図

    真ん中の赤い線を人生だと考えてね。

    ふむふむ‥‥ なるほどな。

    変えられない過去に注目してしまう「原因論」の図だな。

    過去の出来事が今の自分を決める、と考えるから、

    過去から今への流れのまま、現状維持を選択して未来に向かう。

    そうなの。もし過去にトラウマが有って、それにこだわってしまうと、

    過去から今につながる線が太くなってしまって、そのまま現状維持を選んでしまいがちなの。

    なるほどな‥‥
    過去にこだわればこだわるほど、現状維持にむかっちゃうってわけか。

    過去・現在・未来を一本の線のように捉えて同じような生き方をしていく。

    それが原因論での生き方なんだな。

    その通りよ。

    これが目的論だと どうなるんだ?

    こんな感じになるわね。

    ふむふむ。なるほどだぜ。

    過去に縛られないから、『今の自分』の目的に沿って、いろんな未来を選べるんだな。

    過去に縛られて、未来の選択肢を少なくするのが原因論。

    過去を切り捨てて、今の自分の目的に沿って自由に生きるのが目的論よ。

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    トラウマは存在しない

    アドラーはトラウマに苦しんでいる人に、重要な選択肢を作ってくれたわ。

    「目的論で生きる」という選択肢をね。

    最初は、本当にトラウマからくる恐怖で行動できないんでしょう。

    だけど その状況が続くと、人はトラウマを理由にして、目の前の課題から逃げる癖がついてしまうの。

    そして、逃げ続ける自分を、トラウマを利用して正当化しているうちに、

    どんどんトラウマの存在が大きくなって、最後には‥‥

    トラウマに屈服してしまう。

    つまり、過去から今に続く線の延長線上を、そのまま生きてしまう。

    現状維持を続けて、人生を変えることが出来ない。

    ‥‥‥最後のカッコ良いセリフを取らないでよ。

    だいたい読めたんだぜ。

    『トラウマを作り出す』というのはそういう事なんだな。

    最初は本当のトラウマだけど、それを言い訳に使いだしたら‥‥

    そのトラウマは、問題から逃げる自分を正当化するために、

    言い訳として作り変えられたトラウマということになるんだな。

    生きていれば誰だって、立ち向かうべき問題ってのは出てくるわ。

    トラウマがそれを邪魔しているなら、取り除いた方が良いわよね。

    そのために、考え方を『原因論』から『目的論』に切り替えるんだな。

    目的論で考えるなら、トラウマは目的を達成する為のただの手段よ。

    そんなものは存在しない。

    『トラウマは存在しない』というのは、つまりはそういう事だな。

    恐怖に負けそうな自分を正当化する為の、ただの言い訳に過ぎない。

    目的論なら過去を捨てられる。
    トラウマを亡き者に出来る。

    ‥‥まぁ、軽々しく他人の、過去への解釈に口を出すのは失礼だけどな。

    そうね。
    アドラーは、人に『変われ』って強要してるわけじゃないからね。

    「変わりたいなら目的論で生きよう」と前向きな提案をしているんだわ。

    変わりたくないなら、別にそれでいいんだよな?

    生き方なんて人それぞれなんだから。

    だけど、人生を変えたいと願うなら、まずは考え方を変えようという、アドラーからの提案だな。

    そう。人生のすべては「今の自分」次第なのよ。

    具体例を2つ紹介するから、目的論での考え方をおさらいしてね。

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    原因論→目的論の具体例

    まずは『仕事を頑張れない人』よ。

    仕事がうまくいかなくて、頑張る気力を失った場合ね。

    まずは「原因論」よ。

    良い上司に恵まれないから、仕事がうまくいかない‥‥

    こんなふうに「仕事がうまくいかない原因」を考えて、そのせいにする。

    仕事が出来なくても仕方ない、と思えるように、言い訳を考えて、そのせいにするのよ。

    自分にとって都合の悪いことは、何かしら原因を探そうとするんだな。

    簡単に言えば、言い訳して逃げる時は原因論で考えてるって事か。

    その通りよ。イヤな事から逃げる理由なんて、いくらでも捏造できるの。

    上司や部下のせいにしたり、体調を理由にしたり、時間が無いと言ってみたりね。

    なるほどな。
    これが目的論だったらどうなるんだ?

    目的論では、仕事が出来ないのは過去の出来事のせいじゃなくて、今の自分の問題よ。

    目的論では、文字通り目的を考える。

    この場合は、仕事から逃げようとしてるんだから、目的は「仕事から逃げること」になるわね。

    目の前の仕事から逃げるために、過去の上司のせいにしている‥‥

    そんなふうに考えて、過去の上司と今の自分を切り離す。

    そして、逃げずに目の前の仕事に挑んでいくの。

    「過去の上司」「今の自分」は何の関係もない‥‥

    過去を振り返らずに、自分の目的を把握して、逃げずに前を向いて行動するんだな。

    そうね。『やるべきこと』から逃げる時に、人は無意識に言い訳を考える。

    間違いなく言えるのは『言い訳』をしてたら前に進めないってことよ。

    ‥‥そうか。 たしかに人は、イヤな事から逃げる時に言い訳するよな。

    逃げてちゃ前に進めない。

    考えてみれば当たり前の話なんだぜ。

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    今日のまとめ

    アドラーの主張はわかったぜ。

    自分を変えたかったら、考え方を原因論から目的論に切り替える。

    簡単に言えば、過去に言い訳を探しに行かないってことだ。

    でもな‥‥

    これって簡単な話じゃないと思うぜ。

    そうね。今までの生き方を捨てるわけだから、簡単じゃないわ。

    とても『勇気』の要る決断ね。

    そもそも、トラウマに悩んでいる人って、その『勇気』が出てこないからトラウマに逃げ込むんじゃないか?

    目的論を選べると知っても、それを選ぶ『勇気』が、すぐに湧いてくるとは思えないぜ。

    さすがね魔理沙、鋭いわ。

    「トラウマは存在しない」なんて言ったけど、それは目的論で考えたら、という条件付きだわ。

    半分、詭弁みたいなものよ。

    そうだぜ。原因論で生きる人にとっては、トラウマは確実に存在する。

    そして、そのトラウマは「勇気」を削ぐんだ。

    そう、だからこそ、一歩踏み出さないといけないわ。

    まずは『目的論』を知る。

    これは大切な第一歩よ。

    この段階で過去を捨てる決断が出来る人もいるわ。

    でもみんながみんなそうじゃない。

    そうだろう?

    『トラウマは行動しない言い訳だ』って考えるのは、とても厳しい生き方なんだぜ。

    どんなに勇気を振り絞っても、出来ない人はいると思うぞ。

    私もそう思うわ。

    『勇気』をくじかれている人が、どうしたら勇気を補充できるのか?

    恐怖に負けず
    過去を言い訳にせず
    問題に立ち向かう勇気は
    どうしたら得られるのか?

    それを教えてくれないと、アドラーはただの無責任な説教おじさんだぜ。

    うん。ちゃんと次回以降に教えるから安心していいわよ。

    『目的論』は生き方のすべてに関わる重要な考え方で、

    これからも度々でてくるから、よく覚えておいてね。

    次回に進みます

    嫌われる勇気の徹底解説

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