アドラー心理学入門

アドラー心理学㉕「人生の主役」を交代させて、自立して生きる

「わたしたち」

 

今日のポイント

の課題を乗り越える

 

「人生の課題」には3つの段階があります。

自分の為に努力する   (仕事の課題)
相手の為に努力する   (交友の課題)
お互いの為に努力する   (愛の課題)

 

【自分の為にも、相手の為にも努力できる】

こんな状態になって初めて、
他人と一緒に幸せになる道が開かれます。

一緒に幸せになる

 

自分だけ幸せでは不完全です。
相手を幸せにするだけでも不完全です。

ふたりで一緒に幸せになるのが愛の課題です。

 

「わたし」から「わたしたち」へ
人生の主役を交代させる事で乗り越えます。

愛する人

 

YOUTUBE【ゆっくり解説】

 

 

前回の内容

決断
アドラー心理学㉔「愛」は決断することから始まる

続きを見る

 

誰が主役の人生か?

主役

 

それじゃあ、愛の課題を乗り越える話の続きをしていこう。
最初にやるべきは決断することだったわね。

この人を愛すると決断すること。

その次は何をすればいいの?

具体的な話をする前に、ちょっと思い出しておこうか。

3つの課題は、それぞれ追求するものが違ってたよね?

うん。追求するのは、

仕事の課題では 自分 の幸せ
交友の課題では 相手 の幸せ
愛の課題では ふたり の幸せ

こんな感じだったわね。

そうだね。
わかりやすく言い直してみよう。

仕事は自分のことを、
交友は相手のことを、
愛はふたりのことを第一に考える。

そっちの方がイメージしやすいわ。
ここで主役が誰なのかをハッキリさせよう。

仕事は「わたし」
交友は「あなた」
愛は「わたしたち」が主役だね。

それは何か意味があるの?

わたし・あなた・わたしたち

主役が誰なのかをハッキリさせたら何かわかるの?

まぁ、そう焦らずに。

仕事と交友の課題を乗り越えた人は

「わたし」を大事にできて
「あなた」も大事にできる。

そういう事になるでしょうね。
ここまできて、やっと最後の段階に進めるんだよ。

自分を優先するのではなくて、相手を優先するのでもない。

自分を大事にすると同時に、相手のことも大事にできる。

そんな「ふたりで一緒に」幸せになる道を選べるようになる。

「わたしが」じゃなくて
「あなたが」でもなくて

「ふたりで」幸せになる道?

そう。人生の主役を「わたしたち」に変えるんだ。

 

人生の主役を交代させる

二人で一つ

 

そんなことできるの?

わたしの人生の主役はわたし以外にありえない気がするんだけど。

おっしゃる通りだよ。

「あなた」を主役にしてしまったら、自分より他人を最優先に考える自己犠牲の人生になってしまうね。

そうだと思うわ。
でも「わたしたち」を主役にすることはできるんだ。

「わたしたち」には自分も含まれるからね。

たとえば、転職をしようか悩んでいる人がいるとするよ。

「わたし」が主役だったら、この転職が自分にとってどうなのかを考えるだろう。

「わたしたち」が主役だったら、ふたりにとってどうなのかを考えるんじゃないかな。

なんとなくだけど言いたいことはわかるわ。

自分のことも、相手のことも同じように大事にする。

自分勝手でも自己犠牲でもない。

楽しいことも、つらいことも、ふたりで分かち合って生きていく。

素晴らしい関係だと思うわ。

そうだよね。でも、何か納得できないみたいだね。
うん‥‥

なんかしっくりこないのよね‥‥

「わたしたち」を主役に考えるだけで、ホントにふたりで幸せになれるのかなって。

自分が幸せになるだけでも大変なのに、そんな都合よくふたりで幸せになれるの?

きみの疑問はもっともだよ。

主役を「わたし」から「わたしたち」に変えないといけない理由。

そこを、もっと掘り下げて説明しないといけないね。

 

YOUTUBE【ゆっくり解説】

 

 

究極の共同体感覚

究極の共同体感覚イメージ

 

「わたし」が主役でも、幸せに生きることはできると思う。

だって「わたし」の人生だもの。

自分勝手な生き方が正解だとは思わないけど、自分を優先するのは当然だと思うわ。

そのとおりだね。

一度きりの人生なんだから、自分のために生きればいいんだ。

じゃあどうしてアドラーは、わたしの人生を捨ててわたしたちの人生を選べと言うの?
それはね‥‥

いきなり答えを言ってもわかってもらえないかもしれないな。

なによ。もったいぶって。
「わたし」じゃなく「わたしたち」が主役の人生を選ぶ理由。

それは「最高レベルの共同体感覚」を身に付けるための、最初の一歩だからなんだ。

・・・?
最高レベルの共同体感覚?
そうだよ。アドラー心理学が理想とする境地だね。
・・・?

共同体感覚って、共同体の中に自分の居場所を感じられることよね?

そうだね。
自分はここに居てもいいんだ
と思えるような感覚だね。
そういう感覚を持てるように、他人に貢献する話をずっとしてきたんじゃなかったっけ?
そのとおりだよ。
それよりも、さらにレベルの高い共同体感覚があるってこと?
そうなんだ。

だいぶ前の話だけど、ぼくがこう言ったのを覚えてるかな?

「ラスボス級の共同体感覚がある」

 

人生の問題
アドラー心理学④全体像を把握してから理解していこう!

続きを見る

 

そんなことを言ってたような気もするわね。
さらっと話しただけだから、うろ覚えでも無理はないね。

そんな『究極』とも呼べる共同体感覚があるんだよ。

 

自分と共同体が溶け合う感覚

一体となる

 

それって、どんな感覚なの?
簡単に言うと、自分と共同体が一つに溶け合うような感覚だね。

共同体の中に自分の居場所を感じる、というレベルの話じゃない。

自分が共同体そのものになってしまうような感覚なんだ。

共同体そのもの?
自分と共同体が一体化するの?
そんな感じだよ。

まずは一番小さい共同体である「ふたり」の関係で、その感覚を養う。

それができれば、もっと大きい共同体に範囲を広げていく。

ゆくゆくは世界や宇宙と一体となっていく。

「わたしたち」の人生を選ぶのは、その第一歩というわけだね。

なんか話のスケールが大きすぎてピンとこない話だわ。

世界や宇宙と一体になるなんて。

アドラー自身も「到達できない理想」だと言ってるくらいだからね。

こんな話を聞いて、アドラー心理学を離れる人もたくさんいたんだ。

こんなの心理学じゃないってね。

そうでしょうね。わたしが思ってる心理学とは全然ちがうわ。
ぼくも頭では理解してるつもりだけど、世界と一体になるような感覚は持ててないね。

もっと前の段階で足踏みしてる。

もうちょっとわかりやすいような、スケールの小さな例え話は無いの?
そうだね‥‥

こんな経験がある人は居るかもしれないね。

普段、高校野球をまったく見ないのに、母校が出場したら見てしまう。

 

高校野球

 

ありがちな話だけど‥‥
それって共同体感覚なの?
そうだね。

知ってる選手が出てるわけでもないのに、自分が出た高校だというだけで、どこかつながりを感じる。

勝ったら嬉しいし負けたら悔しい。

たしかによく考えたら変な話だわ。
全然知らない子の試合なのにね。
嬉しいとか悔しいとか感じるのは、少しだけかもしれないけど自分のことのように感じてるからだね。

まったく知らない高校生のことを、自分のことのように感じるのは共同体感覚だよ。

「同じ高校」っていう共同体を感じてるの?
そうだね。

時を超えて、在校生と卒業生の垣根を越えて、うっすらと感じる共同体感覚だね。

その高校を共同体と捉えて、何々年度の卒業生という自分の居場所を感じてるんだろう。

だれも卒業してなかったら、その高校は存在してないからね。

そうね。その高校の存在に、多少なりとも貢献しているはずだわ。
生徒会長をやったり、部活で頑張って、その高校が誇る輝かしい記録を残してたりしたら、その人の共同体感覚は強いはずだよ。
なるほど。

貢献の度合いが高くなれば、その分、共同体感覚も強くなるはずね。

『自分のことのように感じる』というのがポイントだね。

他人のことなのに自分のことのように感じたら、それは共同体感覚だ。

 

愛する対象が拡がっていく

愛が拡がる

 

日ハムが勝つと嬉しいってわたしが感じるのも、たぶん共同体感覚なのね。
ああそっか。きみにはそっちで例えた方がよかったね。

きみが日ハムのファンになったのは何か理由があるんじゃない?

私は稲葉篤紀のファンだったのよ。

稲葉を応援してたら、そのうち日ハムが好きになって、稲葉が引退したあとも応援してるって感じね。

へえ、なかなかマニアックだね。

たぶん、きみには稲葉との共同体を感じる何かがあったんだろうね。

その共同体感覚が育って、日本ハムファイターズという大きい共同体に範囲が広がったんじゃないかな。

そうかもしれない。

稲葉とのつながりから、他の選手を知っていくうちに範囲が広がっていったんだわ。

テレビの前で応援したり、球場に足を運んだり、そんな「貢献」がきみの共同体感覚を育てたんだろうね。

 応援する女性

 

なるほどね‥‥

自分のことに置き換えたら愛の課題がなんとなくわかってきたわよ。

わたしはどこかのタイミングで「稲葉を愛する」と決断したのね。

そして「稲葉とわたし」というふたりだけの共同体が出来上がった。

そんな流れかもしれないね。
稲葉の出番が無くなったら、共同体が壊れてしまう。

だから私は一生懸命、応援した。

北海道までの旅費を稼ぐためにバイトも頑張った気がするわ。

日ハムのホームは北海道だったね。
そう。だから宿泊費もかかるから頑張った。

こういう「貢献」をしているうちに共同体感覚が育ったのね。

そうだろうね。

共同体に貢献すれば共同体感覚が育つんだ。

さすがに人生の主役を入れ替えるところまではいかなかったかな?

「わたし」が「わたしたち」に変わるような‥‥

さすがにそこまではね。

しゃべったことも無い人だからね。

「稲葉とわたし」の共同体が人生の主役とまではならなかったと思う。

でも稲葉が調子を落としている時は落ち込んだし、2000本安打を達成した時は自分のことのように嬉しかったわよ。

そうこうしてるうちに、チームのことも好きになっていったんだね?
稲葉を通じてチームメイトにも興味を持つようになったわ。

よく考えたら当然のことね。
稲葉と一緒に戦う仲間なんだから。

稲葉を愛することから始まって、チームを愛するようになったんだね。

きみの共同体感覚が「個人」から「チーム」に範囲が広がった。

ここまでくると次のステージも想像つくんじゃないかな?

なんとなく見えてくるわね。

パリーグ全体を愛して、日本球界全体を愛して、野球全体を愛する。

そうやって、範囲が広がっていく人もいるでしょうね。

わたしは残念ながら、そこまでじゃないけどね‥‥

きみの場合は、人生の主役が交代するほどのレベルではないから、そこまでは進まないんだろうね。

でも、熱狂的な阪神ファンの中には、もしかすると人生の主役が「阪神と自分」という「わたしたち」になってる人がいるかもしれないね。

ああ、いるかもしれないわね。
人生の主役が、共同体に自分を含めたわたしたちに変われば、共同体感覚の範囲が広がっていく。
自分が中心だった人生から、自分を含めた共同体が中心の人生に変わっていくのね。

貢献して、仲間になって、協力し合うことで喜びが増していく。

そうやって、究極の共同体感覚に近づいていく‥‥

そのとおり。

それが「愛の課題」を乗り越える、ということなんだ。

「稲葉とわたし」の共同体は、ちょっと距離がありすぎるけどね‥‥

 

親子の関係は逃げられない

不満そうな子供

 

「愛の課題」の起点としては距離がありすぎるかもね。

ちなみに一番距離が近い「愛の課題」の相手は誰だと思う?

急に話が変わったわね。

それは自分が「愛する」と決めた、近くの人じゃないの?

離れることができない、もっと近くに愛すべき人がいる。

それが、子どもだ。

ああ、そういうことね。
実は「愛の課題」で一番難しいのは親子関係なんだ。
そうなの?

子どもは、他人と違ってどこにも行かないし、愛する以外の道はないんだから考えることは少ない気がするけど。

子ども以外の他人を愛するときは、自分で相手を選ぶことができる。

この人を愛する、と決断した後でも、暴力を振るわれたり、どうしても協力し合える関係になれなかったら離れることができる。

育児はそうはいかないわね。
そのとおりだね。子どもを愛することからは逃げられない。

環境によっては、育児のストレスは半端ないものになる。

共同体感覚が育っていない親だと逃げる人も出てくるね。

子どもを愛することから逃げる‥‥

イヤな予感がするわね‥‥

育児放棄や虐待。
さらに最悪な状況も考えられるね。
イヤな話ね。
でも世の中を見渡したら絶対にどこかで行われてるのよね‥‥
児童虐待の摘発件数は毎年増え続けている。

相談件数なんかは、年間15万件を超えるんだよ。

そんなになの?知らなかったわ。
偉そうに言える立場ではないけど、

「自分も含めた家族」という共同体を大切にできる感覚が育っていたら、このような結果にはならないんじゃないかと思ってしまう。

たしかにね。

環境がひどすぎる場合もあるんだろうけどね‥‥

共同体感覚が育っていたら‥‥と思ってしまうわね。

 

「わたし」が主役の人生を抜け出して自立する

自立

 

そろそろ最後の話に入ろう。

「自立」の話をして終わりにするよ。

最後が自立の話なの?
なんか意外だわ。
「自立」は愛の話の続きなんだ。
そして、もう答えは出ている。
へぇ、ならすぐわかりそうね。
そうなんだ。

ちなみに「自立してる人」ってどういう人だと思う?

そうね‥‥普通に考えると他人に頼らずに生きていける人かな。

 

自立と孤独のイメージ

 

一般的な答えはそんなところだね。

でも、「人間はひとりでは生きていけない」ということを考えると、ちょっと極端な答えだよね。

たしかに。なんかひとりぼっちで寂しい感じもするわ。
アドラー心理学での「自立」はこういう意味になるんだ。

自分が中心の人生から抜け出すこと

ああ、それはさっきわたしが言った言葉じゃない?
そうだよ。

きみはさっき、見事に「愛の課題」をまとめてくれたんだ。

「愛の課題」を乗り越えれば、自分が中心だった人生から、自分を含めた共同体が中心の人生に変わる。

貢献して、仲間になって、協力し合うことで喜びが増していく。

そうやって、究極の共同体感覚に近づいていくんだよ。

人生の主役が「わたし」から「わたしたち」に変わることで乗り越えられるのよね。
まさにそうだね。

幼い頃は親がなんでも世話を焼いてくれた。

愛されることが当たり前の、自分が中心の世界を生きてきた。

でも、大人になった僕らは「自立」しなきゃいけない。

自分が中心だった「家族」という共同体を抜け出して、別の共同体で幸せを見つけないといけない。

そのためには、愛されることを求めるのではなくて、他人を愛することを覚えないといけないんだ。

なるほどね。そこで乗り越えないといけないのが「愛の課題」ね。

愛するひとを決めて
愛することを決断する。

人生の主役が変わるくらいに
真剣に貢献して
協力し合える関係を目指す。

新しい共同体を作り上げて
そこに居場所を見つけて
自分が中心の人生から抜け出す。

つまり「自立」を果たす

これでやっと、今までのすべての話がつながったはずだ。

「人生の目標」を見てみよう。

きみにはもう理解できるはずだよ。

 

人生の目標の図

 

たしかに。

初めて見たときはピンと来なかったけど今は分かるわ。

ありふれた言葉が並んでるけど、いろんな意味を含んでいるのね。

自立するには
調和して生きるには 尊敬
能力を感じるには 貢献
仲間になるには 信頼

それぞれが必要になる。

まとめたら共同体感覚だ。

この目標を達成できれば、人間は幸せに生きられるんだよ。

すべてがつながったわね。
アドラー心理学って奥が深いのね。
そう。まだまだ伝えきれてないことがたくさんあるんだ。

でも一連の流れで解説するのはこれで終わりにするよ。

次からはもっと細かく、みんなが悩みがちな問題を話していこうかな。

それは面白そうね。

最近、年上の人が部下になって、ちょっとギクシャクしてるのよね。

そんな話もしてくれるんでしょ?

そうそう。

アドラーだったら困っている人に、どんなアドバイスをするのか?

アドラーに共感して話してみるつもりだよ。

 

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