今日のポイント
交友の課題を乗り越える
乗り越えないと幸せに生きられない3つの課題。
仕事・交友・愛
今日は前回からの続きで、
【交友の課題】を乗り越える話の完結編です。
課題を乗り越えるには共同体感覚が必要です。
これまでの内容を総動員する話になるので、
アドラー心理学の最初から順番に解説します。
YOUTUBE【ゆっくり解説】
課題を乗り越えて幸せになる

『交友と愛の課題』を乗り越えて、幸せに生きる話をしていこう。


仕事・交友・愛の3つの課題を乗り越えてこそ、幸せに生きられる。

他人のために努力することね。


共同体の中に、自分の居場所を感じられるのが共同体感覚だ。
それを身に付けながら3つの課題に立ち向かっていく。
他者貢献だけじゃなくて、自己受容も他者信頼も必要な感じね。


交友と愛の課題を乗り越えるには、自己受容と他者信頼も必要になるんだよ。
他者貢献だけではダメってこと?


これまで話してきた内容を、総動員しないと達成できないんだ。


その方がわかりやすいよね。
受容と信頼も欠かせない


課題を乗り越えるために、貢献しないといけないのは確かなんだ。
でも、これまで話してきた内容よりも高いレベルの貢献が必要になる。


▼自己受容
ありのままの自分を受け入れると
他人を無条件に信頼できる
▼他者信頼
他人を信頼すると
見返りを求めず他人に貢献できる
▼他者貢献
他人に貢献すると "自分の価値を実感できて"
ありのままの自分を受け入れられる
このループができるようになれば共同体感覚が身に付いていく‥‥


交友と愛の課題を乗り越えるための「高いレベルの貢献」というのは、
この輪っかをグルグルまわって「高いレベルの共同体感覚」を身に付けないと出来ないし、続かないんだ。


簡単に言うと、自己受容・他者信頼もレベルを上げないと、他者貢献もレベルが上がらないってことだね。
共同体感覚を高いレベルで身に付けようと思ったら、3つとも頑張らないといけない。
高いレベルの共同体感覚を身に付けないと、交友・愛の課題は乗り越えられないの?


出来そうなことから、すこしずつやっていけばいいんだ。
少しずつレベルアップしていけば、少しずつ課題を乗り越えていける。


交友の課題と愛の課題って、全然ちがうものなのかな?

仕事▶交友▶愛という順番

交友の課題の先に、愛の課題が待ち受けている感じだね。


自分のために頑張れば、結局は他人にも貢献できるって話よね。


この3つの課題は追求するものが違うんだ。
仕事は『自分の幸せ』
交友は『相手の幸せ』
愛は『ふたりの幸せ』を追求する。


仕事は 自分 が得するように
交友は 相手 が得するように
愛は お互い が得するように
行動するってことだね。


YOUTUBE【ゆっくり解説】
やはり最初は【課題の分離】


忘れてることもあるだろうから、最初から順を追って説明していこう。


「課題の分離」
自分と相手の課題を切り離す。
相手の課題には介入しない。
自分の課題には介入させない。


やらなかったら結局は誰が困るのか?を考えれば、それが誰の課題なのかがわかる。
だから宿題は子どもの課題。
親が「宿題をやれ!」と子どもに強制するのは、子どもの課題に介入することになる。


子どもの自立を邪魔してしまう。
部活で練習をさぼる人がいたとしても、練習しなくて困るのはその人なんだから、強制してはいけない。

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まずはこの境界線をしっかり意識することが大事なんだ。


この境界線を相手側に踏み越えれば、相手の「そのひとらしさ」を邪魔してしまう。
逆に、こちら側に踏み込まれると、「自分らしさ」が邪魔をされる。
自由な生き方を邪魔したり、邪魔されたりするってわけね。

課題の分離の次は【共感】

損するのも得するのも自分だったら、口出しされるのは迷惑だ。
だいたい、その口出しの通りに行動して失敗したって、損するのは相手じゃなく自分だ。
あなたは、あなたの好きなように生きて下さい。
わたしは、わたしの好きなように生きます、って感じよね?


境界線を意識するのは、超えないように注意するためじゃない。
ここから先は相手の自由を邪魔してしまうという自覚を持って、踏み越えないといけないからだ。
「境界線」を意識していれば、相手の迷惑にならないような「おせっかい」の仕方を考えるはずね。


でも、受け入れられるおせっかいと、受け入れられないおせっかいってあるよね?
どう考えても、わたしの事を真剣に考えてないだろ?って感じの「余計なおせっかい」はたくさんあるわ。
その逆もね。


境界線を知ろうともせずに踏み越えるのは、勝手に他人の家に上がり込むような行為だよね。
境界線を知っていれば、インターフォンを鳴らしたり、「お邪魔します」という言葉くらい出るだろう。
子どもも自分の家を持ってると考えないといけないのね。
いくら親だからって、子どもの家に勝手に入っちゃダメね。


他人の家に入ろうと思ったら、相手の迷惑にならないように入れてもらわないとね。





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自分とまったく同じ人間なんて、この世に存在しないんだ。
ということは、自分と相手との間には必ず「ちがうところ」があるはずだよね。
課題の分離をすると、その「ちがうところ」がハッキリする。


でも「ちがうところ」をそのまま放置してしまったら、同じ目的に向かって努力する仲間にはなれない。
考え方の「ちがい」を「同じ」にするために努力しないといけない。
そのための共感‥‥


となると、立場を入れ替えて考えるんだから、そもそも相手の立場を知らないと話が始まらない。


自分が相手の立場だったらどうするだろう?と想像できるようになる。


わたしが仕事を頑張るのは、わたしなりの「理由」があるからだわ。
仕事を怠ける人にも、その人なりの「理由」があるんでしょうね。


君には仕事を頑張る理由がある。
怠ける人には、仕事を怠ける理由がある。
※ここではわかりやすいように「理由」という言葉を
使っていますが、アドラー心理学で厳密に考えるなら
「目的」の方が正しいです。


「ちゃんと真面目に仕事しろ!」って言ったって、その人は「うるせぇな」としか思わないだろうね。

諦めずに【提案】し続ける



職場の誰かから、きみは聞くんだ。
その人が、家族と過ごす時間をとても大事にしていること。
幼いころにケンカばかりする親を見てたせいで、円満な親子関係が、その人の強い憧れになっていること。


すこしでも子どもと過ごす時間を作りたいから、出勤は始業時間ギリギリで、仕事が終わってなくても終業時間ピッタリに帰宅する。




「あなたは勤務時間をしっかり守っているから、わたしにはこれ以上仕事をしろと言う権利はない。」
「でも、今は忙しい時期で、同僚のみんなも残業をして何とか仕事を回している。」
「仕事ばかりで、子どもとの時間をおろそかにするのはダメだと思うけど、この仕事で子どもを養っていることも事実としてある。」
「あなたがどうしても早く帰りたい時はわたしが手伝う。」
「だから、忙しい時期だけでもいいから、仕事を頑張ることが子どものためにもなると思って、みんなに協力してくれないかしら?」
少なくとも「もっと仕事しろ、まわりを見ろ」って怒るよりは聞いてもらえそうだわ。


気持ち悪いかどうかは置いといて‥
「もっと仕事しろ!」って怒るのは相手の課題への介入だ。
相手の立場を無視した強制だからね。
相手の立場を知って、自分とちがうことをする理由を大切に思えたら、介入ではなく提案になるはずだ。


でも共同体にとって必要なことだったら、放置してはいけない。
放置したら共同体がバラバラになってしまうかも知れない。
でも、介入もしてはいけない。
強制しても仲間にはなれない。
なら 提案 するしかない。
相手を信じて、仲間になれるように、提案し続けるしかない。
そうすれば、相手と自分との間にある境界線を、無視せずに近づける。
もしかしたら、仲間になってもらえるかもしれない。
そういうことね?


相手に共感できれば、自分とちがうところが、「そのひとらしさ」に変化する。
この場合は、家庭を最優先で考えるのが「そのひとらしさ」だね。
尊敬とは、相手がそのひとらしく成長していけるように気づかうことだったわね。


そのひとらしさを邪魔してはいけないんだ。
そのひとらしさを大切に扱うのが「尊敬」という行為だからね。
そうなると、やることの順番はこんな感じになるのかな?
課題を分離する
共感する
尊敬する
そして、仲間になる


信頼が抜けている。
尊敬できたとしても、仲間になるかどうかを決めるのは相手だ。
仲間になることを強制はできない。
だから、やることの順番はこうだ。
課題を分離する
共感する
尊敬する
仲間になってくれることを
信じて尊敬し続ける
仲間になってくれなくても
あきらめずに期待し続ける‥‥
その気が遠くなるような考え方は、他者信頼のときに聞いたわね。


自分とまったくちがう考え方をする人と仲間になるのは時間がかかる。




「交友の課題」をまとめよう。
今日のまとめ


協力し合える関係を作るんだね。
そのためには他人に貢献しないといけない。


協力や援助をしてもらいたかったら、先に相手に協力や援助をしよう、ってやつだね。


それでいいと思うよ。
他人を信頼し、尊敬できていれば、余計なおせっかいのような貢献をすることは無いだろうからね。
課題の分離→共感→尊敬→信頼
こんな感じね。


自分と相手の「ちがうところ」をハッキリさせる。
次に、相手の立場を知って、自分がその立場だったらどうするか?を想像して共感する。
共感ができれば「ちがうところ」が
「そのひとらしさ」だと思える。
家庭を最優先するというそのひとらしさに変わったわね。


そのひとらしさを大切に考えるのが尊敬だ。
尊敬ができれば境界線を無視せずに相手に近づくことができる。
境界線を無視して、こちら側に無理矢理ひっぱり込む強制ではなくて、
相手の立場を尊重して提案するのが「尊敬する」ということね。


でも尊敬して近づいたとしても、
こちら側に歩み寄ってくれるのか?
仲間になってくれるのか?
これは相手が決めることだ。
だから、あとは信じるしかない。
拒絶されたとしても、いつかは仲間になってくれることを期待して、
尊敬して、貢献し続けるしかない。


相手の「そのひとらしさ」を気づかい、成長を願い、具体的な行動で表すのが「尊敬」だからね。
仲間になってくれることを信じて、
相手を尊敬して、
それを明確に行動で表す。


尊敬・貢献し続けるんだ。
でもたしかに、絶対に失いたくないような親友がいたら、わたしはそんなふうに接しているはずだわ。
それをみんなにやるんだから大変ね。


信じて与え続けるんだから、大変なのは当然だね。


ちょっと疲れてきたから休憩をはさんだあと、「愛の課題」を乗り越える話をしていこうか。

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アドラー心理学㉔「愛」は決断することから始まる
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