今日のポイント
共同体感覚と幸せの関係
共同体感覚は3つの行動で成り立ちます。
ありのままの自分を受け入れる
無条件に他人を信頼する
見返りを求めずに他人に貢献する
これらが出来れば、自分がいる共同体の中に、
居場所を感じることが出来ます。
居場所を感じることは、人間の根本的な幸せに
大きく関係します。
「死」から遠ざかる事が出来るからです。
YOUTUBE【ゆっくり解説】
3段階の貢献

『他者貢献』の話をしていくよ。


じゃあ早速、気になることをパパっと質問していくわよ。
他者貢献って具体的にはどういう行動なの?






『自信』は、自分を変えるための勇気にも直結する。
自信がない人は、ありのままの自分を受け入れるのが難しいって。

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アドラー心理学⑮ありのままの自分を受け入れると、他人を仲間と思える
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他者貢献ができれば、自己受容しやすくなるんだよ。
そして、共同体感覚にさらに一歩近づくことができる。


アドラー心理学では、何をするにしても勇気が必要になる。
原因論から目的論に考え方を切り替える時も、縦の関係から横の関係に生き方を切り替える時も。
自分を受け入れる時も。
他人を信頼する時もね。


その質問に対しての一番の答えが他人に貢献することなんだ。
勇気を補充するには共同体感覚を身に付ける必要がある。
他者貢献は共同体感覚の中でも、最も直接的に勇気を得られるんだ。


今日までの話は、すべてこの貢献感につながってくるからね。


まぁ、言葉にすると単純に聞こえるかもしれないけど、なかなかそううまくはいかない。
他人に貢献するには段階がある。
仕事・交友・愛
この3つの段階だね。
それって人生の課題じゃないの?


たしか、共同体感覚を身に付けつつ勇気を補充しながら、この人生の課題に立ち向かわないといけないって聞いた気がするわ。


幸せに生きるためには、どうしても避けられない課題がある。
それが『仕事・交友・愛』という3つの課題なんだ。


幸せとは死から遠ざかること

「幸せって何だと思いますか?」ってみんなに聞いて回ったら、いろんな答えが返ってきそうだよね。


人間なら誰でも持っている、心の奥底に秘めている『恐怖』。
これを減らすことが『幸せ』につながると考えるんだ。




こんなこと言うと平和ボケだって怒られるかもしれないけど、わたしは『死』を身近に感じたことがほとんどないわ‥‥


戦争もしていないし、今日食べる物にも困る人は少ないね。
生きていくことだけを考えたら、どうにかなる人がほとんどだと思う。


たしかに食べる物にも住む所にも困る人は世界に大勢いるけど‥‥


残念ながら、そうじゃないよね。
死の危険を身近に感じなかったら、それだけで幸せっていうのは極端すぎる気がするわ。

YOUTUBE【ゆっくり解説】
ひとりぼっちは危険

人間は、これまでの歴史の中で「死」からなるべく遠ざかるために、いろんな努力をしてきたね。
食べ物、飲み物、着る物、住む所なんかに困らないように、文明を発展させてきた。




死を感じることが少なくなった。
そして、その安全な状態が続いて、それが当たり前だと感じている。


安全なのが当たり前になっている。
ここで考えて欲しいんだ。
安全になったことによって、人間の心の中から、大昔にあった恐怖は消えたんだろうか?
飢え死にする恐怖
凍死や熱射病で死ぬ恐怖
獣に殺される恐怖‥‥


ぼくも正直言うとわからないよ。
身近に無い恐怖だから、自分の身に降りかかるのは想像しにくいね。


ぼくもそう考えてる。
でもきみが納得しないと意味がないから視点を変えてみるよ。
この世界でひとりぼっちになってしまう恐怖はどうかな?
孤独になることへの恐怖は、わたしの心の中に絶対あると思うわ。
ひとりは寂しいし、心細い。




弱い動物を狩って、強い動物からは逃げる。
食べ物が尽きたら、病気でも狩りをしないといけない。
住む所も武器も自分で作る。
一瞬でも気を抜いたり判断を間違ったら、天候や獣に殺される。
こんな状況を抜け出そうと思ったら、手段はひとつしかないよね?


何百万年もの経験から、人間は心の奥底で『ひとりで生きること』が危険であることを知っている。
群れから見放されたら、死が待ち受けていることを知っている。
だからひとりになることを恐れる。
死にたくないから、他人と助け合いたいと願い、他人との共存を望む。


ひとりぼっちが怖くて泣きわめいて親を呼んだりしたでしょうね。


ひとりで生きられたとしても、それは大勢の他人が作ってくれた文明社会があるからで、ただの勘違いだ。
すぐ死んじゃいそうだわ。


結局、ぼくが言いたいのはこういうことなんだ。
人間はひとりでは生きていけない。
だから、
他人と協力して生きていくことを、
心の奥底で強く望んでいる。


ここまでの話に同意してくれたら他者貢献の話に戻れるよ。
貢献感が幸せにつながる


この3つの段階の貢献は、『人生の課題』に直結しているんだ。
乗り越えないと幸せになれない。




人生の課題に立ち向かって乗り越えるというのは、
それぞれのレベルの課題で他人に貢献するということなんだね。
交友レベルの他者貢献
愛レベルの他者貢献


人間は心の奥底で、他人と協力して生きることを強く望んでいる。
だから、共同体の一員となって、自分の居場所を確保することに、安心と幸せを感じる。
自分の居場所を確保しようと思ったら、共同体にとって役に立つ人間にならないとね。


他人の役に立って「貢献感」を得て、自分の居場所を感じることが人間にとっての幸せなんだ。


アドラーはそう言ってるね。
貢献感があれば、私はここにいてもいいんだと思えるから、
居場所を感じられて、共同体感覚も自動的に身に付くというわけね。


その感覚が、共同体感覚だ。
貢献感を得ることができれば、自分が価値のある人間だと感じるから勇気も得ることができる。
勇気を得られれば、さらにレベルの高い課題にチャレンジできる。
そして、より深く共同体感覚を身に付けることができる。
つまり、より幸せに生きられる。
仕事レベル、交友レベル、愛レベルの貢献ができるようになって、
貢献感を得られれば幸せになれる。


表面的な幸せは人それぞれだよね。
良い車に乗る
アイドルのような恋人をつくる
高価なバッグを買う
おいしいものを食べる
手に入れたら、すぐにしぼんでしまうような幸せは、挙げだしたらきりがないはずだ。
だけど、本当の意味での幸せ‥‥
根本的な幸せは「貢献感」なんだ。
今日のまとめ

貢献 人生の課題 幸せ
共同体感覚 勇気


まずは人間にとっての『幸せ』とは何か?ということだね。
だから、共同体の一員として自分の居場所を感じることが、人間にとっての根本的な幸せになるのよね?


そして、自分の居場所を感じるためには他人に貢献しないといけない。
共同体にとって、役に立つ人間だと思えるようにならないといけない。
貢献感を得ないといけない。
だから、貢献感を得て居場所を感じられれば、共同体感覚を身に付けることになる。
同時に、幸せを感じられる。


ちょっと極端だけど。




3つ全てが、ひとりで出来るような課題じゃない。
どれも共同体の中での話だから、それぞれのレベルで他人に貢献することが必要になる。
交友の課題に立ち向かうには、交友レベルの他者貢献。
愛の課題に立ち向かうには、愛レベルの他者貢献が必要なのね。


『幸せ・貢献感・共同体感覚』を同じものと考えるなら、それぞれに3つのレベルがあることになる。
他人の役に立つレベルが、仕事レベルから交友レベルに上がれば、幸せも貢献感も共同体感覚も、同時にレベルアップする。
その勇気を使えば、次のレベルの他者貢献に進めるってわけね。


日々の生活の中で、心を折らずに人生の課題に立ち向かうのは、継続的に勇気を補充できないと難しい。
アドラー心理学はいそがしいわね。


でも立ち止まって『人生の課題』から逃げてしまったら、いつまでたっても幸せにはなれないんだ。






話が複雑になるから今日は省いた『人生の目標』の話も絡めて、
幸せに生きたい人が知っておくべきことを詳しくお伝えしていくよ。
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