アドラー心理学入門

アドラー心理学⑫「悪い劣等感」は他人との競争を生んで敵を作る

優越性の追求

 

今日のポイント

劣等感を味方につける話

 

YOUTUBE【ゆっくり解説】

 

今回は、劣等感を味方につけて克服する話です。
 

劣等感は2種類あります。

成長を助ける良い劣等感と、
成長を邪魔する悪い劣等感です。
 

劣等感をバネにして成長するのが良い劣等感。
心が折れて努力しなくなるのが悪い劣等感です。

劣等感の良し悪し

 

この2つは
物事の受け取り方(解釈)で変わります。
 

起こった出来事は同じでも、
プラスに解釈する人もいれば
マイナスに解釈する人もいます。
 

この『解釈のくせ』を直せば
悪い劣等感を良い劣等感に変えられます。
 

人間の性格というのは『解釈のくせ』です。
 

アドラー心理学では、
性格ではなくライフスタイルと呼びます。

性格

 

前回の内容

劣等感の画像
アドラー心理学⑪「劣等感」はどんな仕組みから生まれるのか?

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ライフスタイルとは

いろんなライフスタイル

 

ライフスタイルって、なんかカジュアルな呼び方だわ。
言われてみればそうだね。

前回の最後に話した性格も、ライフスタイルに含まれるんだ。

おおざっぱに言うと、『自分の外の世界をどのように見ているのか?』ということだね。

その『くせ』がライフスタイルだ。

「ものごとを解釈するときの傾向」という感じなのかな?
まさにそんな感じだね。

同じような経験をしても、楽観的にとらえる人もいれば、悲観的にとらえる人もいる。

ライフスタイルが生まれつきのもので、決して変えられないものなら、

それを理由に課題から逃げてしまうのも、まぁわからなくもない。

うん。
だけど、ライフスタイルは自分で選んだものなんだ。

そのライフスタイルを選び続けて『くせ』になってるだけで、ちがう生き方を選ぶこともできるんだよ。

なにごとにも前向きに頑張れる人は、努力して課題をのりこえちゃう『くせ』がついてるのかもね。
そうかもしれないね。

たとえ乗り越えられなくても、何かのせいにして課題から逃げるんじゃないんだろうね。
 

「今はまだできないけど、あきらめたら終わりだから頑張ろう」

「理想が高すぎた。もう少し現実的に考えてみよう」

「どうもこのやり方は自分に向いてないみたいだ。ちがうやり方を試してみよう」
 

このように『やるべきこと』から逃げずに、『今の自分』でどうやったら乗り越えられるかを考えるんだ。

なんかわかってきた気がする。

他人と比べて頑張るんじゃなくて、理想の自分に向かって頑張るって感じがするわ。

 

良い劣等感と悪い劣等感

成長と挫折

 

そのとおりだよ。

理想の自分現実の自分を比べるのが良い劣等感なんだ。

他人と比べるのは悪い劣等感だね。

え?でもちょっと待って。

劣等感って他人と比べるから生まれるんじゃなかったっけ?

他人と比べて生まれるのが悪い劣等感なんだったら、劣等感はすべて悪い劣等感ということにならない?

君のツッコミはいつも的確だね。

そのとおりだ。

他人と比べて、自分の方が劣っていると感じるのが劣等感だね。

そうよね。
自分と他人とを比べて、反射的に感じてしまう『最初の劣等感』

これも他人と比べるから悪い劣等感なんだけど、ここから良い劣等感にも変化するんだ。

最初の劣等感を感じた後、
それが『良い劣等感』になるのか?

『悪い劣等感』のままなのか?

どこでちがってしまうの?

他人より劣っている自分を

受け入れるのか?
否定するのか?

ここで道が分かれてしまうんだ。

・・・ 
悪い劣等感とは、他人より劣っている自分を否定して、「あんな人に負けるはずがない」と決めつけてしまう劣等感だ。

「こんな私はイヤだ!」
「絶対に認められない!」

そんな状態だね。

良い劣等感の場合はどうなるの?
良い劣等感は、他人より劣っている自分を素直に受け入れる劣等感だ。

「今の自分に出来ることは何?」

このように『今の自分』で出来ることを考えて、その考えをもとに理想の自分を作って、

その『理想の自分』に向かって少しでも前に進もうとする劣等感だね。

劣っている自分を認めずに、否定して強がるのか‥‥

素直に受け入れて、そこから少しずつでも前に進もうとするのか‥‥

そう。『最初の劣等感』も他人と比べるから悪い劣等感なんだけど、

程度が軽いし、「優越性の追求」につながるから必要だとも言える。

でもそこに「劣っている自分を否定する」ということが加わってしまうと悪い劣等感が完成してしまう。

 

劣等感の図1

 

劣等感には段階があるのね。

最初の劣等感から良い劣等感に変化する場合もあれば、程度の重い、悪い劣等感に変化する場合もある。

そうだね。

劣っている自分を『受容』するか『否定』するかで違ってしまう。

最初の劣等感は
「程度は軽いけど悪い劣等感」

劣っている自分を受容するのは
「良い劣等感」

劣っている自分を否定するのは
「悪い劣等感」

こんな感じで理解しておけばいい?

それでオーケーだよ。

その3つの劣等感のうち、悪い劣等感をもうすこし深く掘り下げるよ。

劣っている自分を否定するのが悪い劣等感なんだけど、その否定をする時に2つの道に分かれるんだ。

 

YOUTUBE【ゆっくり解説】

 

 

2種類の”悪い劣等感”

2つの道

 

2つの道?
悪い劣等感は2種類あるってこと?
そうなんだ。

劣っている自分を受け入れることが出来なくて、否定する時に選んでしまう2つの道。

それが逃げる道強がる道だ。

・・・?
なんだかよくわからないわ。
ちゃんとわかりやすく説明するよ。

前回に話した劣等コンプレックスは覚えているかな?

覚えてるわよ。

目の前のやるべきことから逃げるために、劣等感をいいわけに使う。

ありもしない『原因』を作り出して、そのせいで自分はできないと思い込むのよね?

そうだね。

「課題に向き合う勇気をくじかれたら、課題から逃げてしまいがちだ」

こんな話をしたね。

ちゃんと覚えてるわよ。
ありがとう。

この劣等コンプレックスが、劣った自分を否定して逃げる道なんだ。

それとはまったく逆の、劣った自分を否定する方法として、優越コンプレックスというのもあるんだよ。

優越コンプレックス?
そう。劣等コンプレックスの逆だ。

劣等コンプレックスは課題から逃げる自分を正当化する手段。

優越コンプレックスは、出来ると見せかけて他人をだます手段なんだ。

他人をだますってのは、その場しのぎでごまかすってこと?
そんな感じだね。

君は自分の知らない事を、知ってて当然のように聞かれた時に、

「知ったかぶり」した経験はない?

・・・あるわね。

「知らない」って言うのが恥ずかしくて、知ってるフリをしてしまうことはあるわ。

それは『知らない自分』に劣等感を感じて、優越コンプレックスに陥ってしまった結果なんだ。

「知らない」って素直に言えばいいのに、知ってるフリをしてしまって、その後の会話に困るってのはありがちだよね。

みんなそんな経験あるんじゃない?

たしかに、知らない自分を受け入れていたら素直に「知らない」って言うでしょうね。

だって実際、知らないんだから。

「知らない、教えて」で済む話なのに、知ってるフリをしてしまう。

これはどうしてだと思う?

さっきも言ったけど、やっぱり恥ずかしいからだと思うわ。
そうだよね。

「知らない事がたくさんある自分」を受け入れてる人なら、恥ずかしいと感じずに素直に聞けるだろうね。

無理して知ってるフリをするより素直に聞く方が自然で気楽だわ。

強がるより教えてもらった方が、自分にとってプラスになるはずよ。

劣っている自分を、受け入れられなかったら否定するしかない。

そして、その否定をする時に選ぶ道は2つあるということだね。

『劣等コンプレックス』
『優越コンプレックス』

劣った自分を「受容」するのか。
「2種類の否定の道」を選ぶのか。

その選択しだいで、人生の進む先は大きく変わってしまうんだ。

 

劣等感の図2

 

でも、相手の目の前では自分を否定して逃げたり強がったりしても、

ひとりになったときにその分を取り返すってことはあるんじゃない?

知ったかぶりをした後に調べたり。

できるフリをした後に練習したり。

一旦は逃げてしまったけど、やっぱり悔しくて隠れて勉強したり。

それらも一種の、自分を成長させる努力だと思うけどな‥‥

あるよね、そういうこと。
僕も経験あるよ。
でしょう?

逃げたり強がったりする悪い劣等感でも、他人に追いつく努力をしてチャラにしてしまえば、それはそれで良いことだと思うわ。

そうだね。

相手と同じレベルまで努力できたら悪い劣等感ではない気がするね。

うん。
でもね、劣っている自分を受け入れてからする努力と、否定しながらする努力。

この2つには、とてつもなく大きな違いがあるんだよ。

どう違うの?
相手が『味方』になるか『敵』になるかの違いだよ。

 

悪い劣等感は敵を作る

同僚と敵対する男性

 

・・・?
ここは重要なポイントだからきっちり掘り下げるよ。
劣った自分を受け入れると相手が味方になって、否定するとになるってこと?
そのとおりだよ。

さっき知ったかぶりの話をしたけど、これは優越コンプレックスの、程度の軽い例だね。

感じるのは恥ずかしさだけだ。

もっと程度が重い場合だとわかりやすいよ。

たとえばどんなの?
わかりやすい例だと『年収』かな。

周りの友達が年収1000万円で、自分が100万円だったとしたら、

優越コンプレックスは知ったかぶりのレベルでは済まないかもね。

そうね‥‥

恥ずかしいというレベルじゃなくて悔しい・情けないというレベルになると思うわ。

「ムカつく」というレベルまでいくかもね。
そうかもしれないわね。

『優越コンプレックス』を選択して、自分の年収を実際よりも多く言う人がいてもおかしくないわ。

年収で劣る自分を受け入れる人だったら、友達の苦労話や成功談を聞いたりして、自分にプラスになる話が自然とできそうだよね。

話が終わったあとも、

「いい話が聞けた」
「ありがたい」
「わたしは良い友達を持った」
「やり方を見習ってみようかな」

とか思うだろうね。

うん、なんとなく想像できるわね。
逆に、年収で劣る自分を否定してしまう人だったらどうなると思う?
そうね‥‥

劣等コンプレックスを選択すれば、学歴とか親の教育とか性格とか、

ありもしない原因を探し出して、

「仕方ないことなんだ」と、頑張らない自分を正当化したり、なぐさめたりするかもね。
 

優越コンプレックスを選択すれば、年収1000万円の自分を演じるかもしれない。

無理して高い服を着たり、高い車に乗ったりしそうよね。

年収1000万円の自分を演じて、そうなるように努力する場合、年収が2倍の200万円になって満足するかな?
・・・たぶんしないでしょうね。

年収が増えても悔しい思いを持ち続けると思う。

それはどうしてだと思う?
・・・年収が同じレベルまでいかない限り、負けてると感じるからじゃないかな。
そのとおりだよ。

勝った負けたの勝負の世界。

つまり『競争』という状態だね。

劣った自分を受け入れない人は、常に他人との競争の中で生きることになる。

競争相手とはつまり‥‥

‥‥敵ね。
目的が『自分の成長』じゃなくて『勝つ』ことになったら、相手はになってしまう。

劣った自分を受け入れる人にとっては、優れている人はすべて自分にとってプラスになる人だから、味方だと感じる。

努力する勇気を与えてくれる。

一緒にいてくれてありがたいと感じる。

 

良い劣等感は心が折れにくい

成長のイメージ

 

なるほどね。

悪い劣等感だと、相手に勝てなかったらすべての努力が『失敗』になってしまうわね。

良い劣等感は『理想の自分』に向かって進むから、これはさすがに無理だと感じたら修正できる。

それにすこしでも前に進めたら、それが成長や自信になるし次の努力につながる。

努力を『失敗』と感じて心が折れることはなさそうね。

そうそう。良い劣等感での失敗は立ち止まることだけだね。

逃げたり、強がったりしてしまったら、それは悪い劣等感だ。

良い劣等感は、すこしでも前に進んでいれば常に充実してて自信になるから苦にならないよね。

前回、ミコトが言ってたテストの点数の話が、まさにそれね。

母親がいつも取ってた90点が取れなかったら、悪い劣等感だったら全ての努力が失敗になっちゃうわね。

そうだね。

『失敗』だと感じてしまって、その状態が続いたら努力することから逃げたくなるのもわかるよね。

最初に50点を取った時に、

「自分と母親はちがう」

このことを受け入れられなかったのが問題なんだ。

50点の自分を素直に受け入れて、そこから少しでも前に進もうと考えたら、ぜんぜん感じ方が変わる。

70点を取ったとき感じるのは
「また失敗だ、僕は頭が悪いんだ」

じゃなくて、

「僕は頑張ったぞ、成長したぞ」
になるだろうね。

なるほど。
それが『解釈』のちがいなのね。

同じ70点でも、
『失敗』と解釈するのか。
『成功』と解釈するのか。

『解釈』のしかたで、同じ劣等感でも良い劣等感と悪い劣等感にわかれてしまう。

そのわかれ道をどちらに進むかは

「劣った自分を受け入れられるかどうか」で変わるということだね。

自分を受け入れられるかどうかで、そんなに生き方に差が出てきてしまうのね‥‥
ここで大きな疑問にぶち当たるはずだよ。
どうすれば、他人より劣っている自分を受け入れられるか‥‥?
当然そこが気になるよね。

次のテーマはそれだよ。

解釈の話はすこし出たけど、ライフスタイルを変える話はまだ終わってないしね。

劣等感の話は深いわね‥‥
今日はここまでにしておくよ。

自分を受け入れる話の前に、劣等感をわかりやすく図にしたから、今日の話を忘れないうちに次回を見ておいて欲しいな。

短かめでわかりやすい内容だから。

わかった。見ておくわ。

 

次回に進みます

階段
アドラー心理学⑬【良い劣等感】と【悪い劣等感】のイメージ図

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劣等感をマスターする

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